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06月01日-07号

  • "相原高広議員"(/)
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  1. 神奈川県議会 2016-06-01
    06月01日-07号


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    平成28年 第二回 定例会 △《本会議録-平成28年第2回-20160601-027932-諸事項-出席議員等議事日程-》         平成28年第2回神奈川県議会定例会会議録第7号〇平成28年6月1日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共105名       出 席 議 員                       綱   嶋   洋   一                       お ざ わ   良   央                       武   田       翔                       田   村   ゆうすけ                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       米   村   和   彦                       中   村   武   人                       京   島   け い こ                       石   川   裕   憲                       木 佐 木   忠   晶                       君   嶋   ち か 子                       古   賀   照   基                       佐 々 木   ゆ み こ                       高   橋   延   幸                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       新   堀   史   明                       瀬   戸   良   雄                       い と う   康   宏                       斉   藤   た か み                       さ と う   知   一                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       大   山   奈 々 子                       藤   井   克   彦                       飯   田       満                       池   田   東 一 郎                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       守   屋   てるひこ                       市   川   よ し 子                       早 稲 田   夕   季                       岸   部       都                       作   山   友   祐                       加   藤   な を 子                       井   坂   新   哉                       赤   野   た か し                       楠       梨 恵 子                       髙   橋       稔                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       柳   下       剛                       八   木   大 二 郎                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       内   田   み ほ こ                       長   田   進   治                       国   松       誠                       松   本       清                       てらさき    雄   介                       長   友   よしひろ                       と う ま   明   男                       菅   原   直   敏                       北   井   宏   昭                       馬   場   学   郎                       鈴   木   ひ で し                       赤   井   かずのり                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       桐   生   秀   昭                       佐   藤       光                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       近   藤   大   輔                       山   口   ゆ う 子                       日   下   景   子                       曽 我 部   久 美 子                       た き た   孝   徳                       中   村   省   司                       相   原   高   広                       藤   井   深   介                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       国   吉   一   夫                       松   田   良   昭                       齋   藤   健   夫                       嶋   村   た だ し                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       久 保 寺   邦   夫                       松   崎       淳                       大   村   博   信                       高   谷       清                       茅   野       誠                       はかりや    珠   江       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           黒   川   雅   夫         同             中   島   正   信         同             浅   羽   義   里         理事            首   藤   健   治         政策局長          大   竹   准   一         総務局長          中   村   正   樹         安全防災局長        和   田       久         県民局長兼         子どもみらい担当局長    茂   木   吉   晴         スポーツ局長        宮   越   雄   司         環境農政局長        金   子   眞 理 子         保健福祉局長        佐 久 間   信   哉         産業労働局長        藤   巻       均         県土整備局長        平   野   浩   一         会計管理者会計局長    水   田   豊   人         ヘルスケア・ニュー         フロンティア推進統括官   山   口   健 太 郎         情報統括責任者       藁   科   至   德         労務担当局長        河   原   知   德         マグカル担当局長      堀   江   信   夫         拉致問題担当局長兼         グローバル戦略担当局長   仲   村   吉   広         健康・未病担当局長     井   上   従   子         エネルギー担当局長     松   浦   治   美         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   良   一         同  県立高校改革担当局長 久   我       肇         警察本部長         島   根       悟         警察本部総務部長      常   盤   一   夫         人事委員会事務局長     山   田       学         監査事務局長        井   立   雅   之         労働委員会事務局長     田   中   維   彦         公営企業管理者企業庁長   二   見   研   一         企業庁企業局長       菅   野       隆   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          松   森       繁         議会局副局長        森       清   司         同  総務課長       花   上   光   郎         同  議事課長       田   中       隆         同  政策調査課長     多   田   彰   吾   ───────────────────────────────────────            平成28年第2回神奈川県議会定例会議事日程第7号                            平成28年6月1日午後1時開議第1 定県第 65 号議案 平成28年度神奈川一般会計補正予算(第1号)   定県第 66 号議案 同  年度神奈川県営住宅管理事業会計補正予算(第1号)   定県第 67 号議案 神奈川県議会議員及び神奈川県知事の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例   定県第 68 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 69 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 70 号議案 認定こども園の要件を定める条例の一部を改正する条例   定県第 71 号議案 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 72 号議案 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 73 号議案 神奈川県立塚看護専門学校条例の一部を改正する条例   定県第 74 号議案 神奈川県立よこはま看護専門学校条例及び神奈川県立衛生看護専門学校条例の一部を改正する条例   定県第 75 号議案 介護保険法施行条例の一部を改正する条例   定県第 76 号議案 工事請負契約の締結について(県営阿久和団地公営住宅新築工事(3期-建築-第2工区)請負契約)   定県第 77 号議案 工事請負契約の変更について(新庁舎改修及び増築工事(建築)請負契約)   定県第 78 号議案 工事請負契約の変更について(新庁舎改修及び増築工事(衛生)請負契約)   定県第 79 号議案 工事請負契約の変更について(本庁庁舎電気設備改修工事請負契約)   定県第 80 号議案 動産の取得について   定県第 81 号議案 指定管理者の指定について(秦野ビジターセンター及び西丹沢ビジターセンター)   定県第 82 号議案 指定管理者の指定について(県営住宅横浜等地域))   定県第 83 号議案 指定管理者の指定について(県営住宅(川崎地域))   定県第 84 号議案 指定管理者の指定について(県営住宅相模原等地域))   定県第 85 号議案 指定管理者の指定について(厚生住宅及び県営住宅横須賀三浦地域))   定県第 86 号議案 訴訟の提起について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成28年第2回-20160601-027933-質問・答弁-亀井たかつぐ議員-代表質問①地方法人課税における偏在是正措置について②未病産業の創出について③県立がんセンター総合病院的機能の強化について④地域医療構想について⑤かながわDPATの今後の取組について⑥市町村と連携した地震災害対策について⑦保育における「3歳の壁」について⑧スポーツ行政県立保健福祉大学との連携について⑨教育行政について⑩県民の安全・安心の確保について》   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共104名 ○議長(森正明) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(森正明) 審議を行います。  日程第1、定県第65号議案 平成28年度神奈川一般会計補正予算外21件を議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  亀井たかつぐ君。  〔亀井たかつぐ議員登壇〕(拍手) ◆亀井たかつぐ議員 議長のお許しをいただきましたので、私は公明党県議団を代表して、通告に従い、提言を交えながら、順次質問をさせていただきます。  知事、教育長並びに警察本部長におかれましては、明快かつ真摯なご答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩並びに同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  去る5月26、27の両日にわたって行われました伊勢志摩サミットにおいて、世界経済を支えるために、各国の状況に配慮しつつ、経済政策による対応を協力して強化するなどとした首脳宣言が採択されました。  この宣言では、世界経済の現状について、回復は続いているが、成長は引き続き緩やかでばらつきがあり、世界経済の見通しに対する下方リスクが高まってきているとの指摘がなされました。  確かに、自公政権に戻ってからの約3年半、経済は回復基調にあり、雇用環境も改善しつつありますが、世界経済の不安定化がもたらすリスクにさらされ続けていることもまた事実であります。  そうした不透明な状況の中ではありますが、本県としては、日本一の早さで進む高齢化によって増大する介護・医療関係費はもちろんのこと、児童関係費や公共施設の老朽化対策などにも多額の費用が見込まれており、何としてもその財源を確保する必要があります。  本県では、ライフイノベーションの実現やヘルスケア産業の振興等により神奈川らしい成長を果たしていくとしており、私も大いに期待をしているところですが、一方で、実際に県民の所得をふやし、暮らし向きを向上させるためには、製造業や建設業、商業、さらには農林水産業など既存の産業についても、その基盤強化を図っていく必要があると考えます。  神奈川県の経済のエンジンは本当に回っているのか、行財政改革はきちんと進んでいるのか。黒岩県政も6年目となり、多くの県民がその実績に対し重大な関心を寄せていることを踏まえ、本日、私は10のテーマについて、提言を交えながら質問をさせていただきます。  質問の第1は、地方法人課税における偏在是正措置についてであります。  平成28年度税制改正により、地方法人税が拡充されることとなりました。この地方法人税は、地域間の税源偏在を是正するため、地方税である法人県民税法人市町村民税のそれぞれ一部を国税に置きかえて、平成26年度に創設された仕組みであり、今回、これが拡充されるものであります。  具体的には、法人県民税は、国税化される前の税率5%から1%に、法人市町村民税は、同じく税率12.3%から6%にそれぞれ引き下げられることとなります。さらに、今回の税制改正では、地方法人税の拡充のみならず、引き下げ幅の大きい市町村の減収分を一部補填するため、法人事業税の一部を県から市町村に交付する法人事業税交付金という仕組みまでもが創設されました。  しかし、こうした偏在是正は、本来、国の責任により、国の財源をもって行われるべきものであり、地方の財源を利用して行われるべきものではありません。しかも、今回創設された法人事業税交付金には、本県が独自に実施している超過課税による税収も含まれています。  本県における法人事業税は、法人県民税とともに超過課税を実施しており、災害に強い県土づくりの推進と東京オリンピック・パラリンピックに向けた幹線道路の整備という特定の事業を推進するために、法人の理解を得ながら、本県が課税自主権に基づき、標準的な税率に特別な税率を上乗せしております。  このように、本県が使途を定めた上で実施している超過課税による税収の一部を、法人事業税交付金は、使途を限定せずに、交付金という形で市町村に交付することになります。加えて、この交付金による本県の超過課税に係る減収分は、地方交付税で措置されないとのことから、不適切な制度であると思います。  そこで、知事に伺います。  消費税率が再度引き上げられた場合に実施が予定されている地方法人税の拡充や法人事業税交付金について、本県としてどのように受けとめ、どのように対応していこうと考えているのか、知事の所見を伺います。  質問の第2は、未病産業の創出についてであります。  本県では、世界でも例を見ないスピードで進む超高齢社会を乗り越えるため、未病を基軸に、新たなヘルスケア社会システムを構築するため、ヘルスケアニューフロンティアを推進し、そのための施策に取り組んでいます。  こうした取り組みを神奈川モデルとして定着させていくためには、広く県民を対象にした普及啓発などに取り組んでいくことはもちろん、民間企業が経済活動を通じて参画し、新たなビジネスチャンスを掘り起こしていくための仕組み、仕掛けをしっかりとつくり上げていくことが欠かせません。  県では、こうした民間企業を巻き込んだ取り組みの一つとして、新たな産業分野として未病産業の創出を位置づけるとともに、未病産業研究会を設立し、会員企業によるモデル事業の実施なども進めてきました。  この会員企業については、当初60数社でスタートしたものが、現在では350社を超え、さまざまな分野の事業者に広がっていると聞いております。  未病産業については、本県の働きかけにより、国の健康・医療戦略にも位置づけられ、社会的に認知されるようになってきました。  また、昨年には多くの企業の協賛を得て未病サミットを開催するとともに、協賛企業の未病関連の商品やサービスを普及するための展示会ME-BYOJapanを開催しPRを行うなど、県の未病産業の普及に向けた取り組みは一定の評価に値すると考えます。  しかしながら、今後、未病産業のウイングをさらに広げ、産業として確実なものにしていくためには、行政が経済的な負担をしてモデルを創出するステップから、民間と連携して資金を供給する仕組みなど、次のステップを検討する必要があります。  さらに、未病産業の創出にあわせて、未病の概念の普及も重要な要素であります。未病の概念については徐々に県民、企業に浸透してきているとは思いますが、さらにその普及に取り組む必要があると認識をしています。  そこで、知事に伺います。  未病産業の創出について、これまで取り組んできた成果を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  質問の第3は、県立がんセンターの機能強化、とりわけ総合病院的機能の強化についてであります。  県立がんセンターは、県内において、都道府県がん診療連携拠点病院として、県民に高度ながん医療を提供しているところであります。平成25年11月には新病院となり、新たな施設環境の中で患者に対する入院及び外来診療を行っており、受診患者数も順調に伸びていると伺っております。  また、平成26年4月には、我が会派が提言してきたがん免疫療法を研究するがんワクチンセンターや、東洋医学を積極的に活用するための漢方サポートセンターも立ち上がりました。そして、平成27年12月には、重粒子線治療施設i-ROCKも稼働しました。これは、がん専門病院に併設された世界初の重粒子線施設であります。  さらに、昨年、私が代表質問で知事にお伺いした、がんセンターにおけるがんリハビリテーションセンターも、この4月に新たに開設され、がん患者の早期退院や早期職場復帰に向けたリハビリ分野の充実が図られたところであります。  このように、がんセンターでは、手術、放射線治療、化学療法の三つの標準的な治療はもとより、さまざまな治療法を組み合わせ、総合的ながん治療が行われるなど、その充実強化が図られてきたところであります。  さて一方で、我が国は世界でも類を見ない超高齢社会に突入しており、がん患者においても高齢化が進み、がん以外に生活習慣病などの疾患を抱える患者が増加をしています。そのため、がんセンターの患者においても、がんセンターでがん治療を行うのとあわせて、他の病院で生活習慣病などの疾患の治療を行うケースがあると聞いています。  また、がんになると、肝炎や肺炎など、さまざまな機能低下も起こると聞いており、高齢者はこうしたリスクがさらに高くなることから、がん治療後も、がん以外の疾患も含めた包括的な治療を受ける体制が必要と考えます。  今後、高齢化がさらに進展し、他の疾患を持つがん患者の増加が見込まれる中で、がんセンターは、これまで高度ながん医療に機能を特化してきましたが、がん治療とあわせて他の疾患についてもしっかりとした診療を行っていくことが必要です。  そこで、知事に伺います。  県立がんセンターにおいて、がん患者のがん以外の疾患へ対応するなど、総合病院的な機能の強化を図るべきと考えますが、知事の所見を伺います。  質問の第4は、地域医療構想についてであります。  本県では、今後、高齢化が進展することで、骨折や肺炎を含めた高齢者特有の医療ニーズがふえ、全体として、リハビリなど回復期の病床の需要が拡大していくことが予想されます。  さらに、個別の地域単位で見れば、人口の変動や高齢化率の差により、求められる医療に大きな変化が出てくることは必然です。  そこで、現在提供されている医療体制と将来の医療需要との開きをいかに埋め、適切な医療体制の再編を進めていくかが、「地域医療構想」に期待されているところであります。  地域医療構想は、本年10月の策定に向けて、現在、素案を検討している段階であると承知をしています。10月に地域医療構想が策定された後、地域医療構想に描かれた将来目指すべき医療提供体制を実現していくに当たっては、回復期など不足が見込まれる病床をどのように確保するかが重要であります。  一方、地域によっては高度急性期や急性期が過剰になることも見込まれており、過剰な病床から不足する病床への転換を円滑に進めていくことも必要となります。  しかしながら、こうした病床の機能分化・連携は、個々の病院に任せるだけでは進まない場合もあるのではないでしょうか。  一例でありますが、大きな急性期病院が地域に複数ある場合、どちらかの病院が回復期に転換しなければならないという議論に発展する可能性があります。しかし、個々の病院はそれぞれが経営のことも含めて今後のあり方を考えており、お互いに譲らないといった事態も想定されます。こうしたときには、どこかがイニシアチブをとらないと、病床の機能分化・連携はうまくいかないのではないかと危惧をしています。  県はしっかりと地域の実情を把握し、病床の転換を含めた機能分化・連携を円滑に進めていくことが期待されるところです。  そこで、知事に伺います。  地域医療構想の実現に向けた病床の機能分化・連携について、県はどのように進めていこうと考えているのか、知事の所見を伺います。  質問の第5は、かながわDPATの今後の取組についてであります。  大規模災害時に被災地域では、精神保健医療機能が一時的に低下し、さらに災害ストレスが重なって被災者に新たな精神的問題が生じるなど、精神保健医療への需要が拡大します。また、精神医療機関が被災した場合、患者の搬送、避難所での診療に専門的な知見が必要になります。  DPATは、東日本大震災で各地から派遣された心のケアチームにかわって新たに創設された専門的な研修、訓練を受けたチームです。  私は、平成25年第3回定例会の一般質問でDPATについて取り上げ、本県での必要性と早期の体制整備を強く訴えました。知事からは、市町村のみならず、実際に精神科医療を行っている民間の精神科病院、診療所にもご協力いただき、官民一体となったDPATを整備すべく、関係機関と協議していく。人的資源を有効に活用するために、政令市とも連携を図っていくとの答弁をいただきました。  それを機に、県ではDPATの体制整備に向けた関係機関との協議を開始し、昨年度、本県では初めてとなるかながわDPAT研修会の開催や運営委員会による承認、登録などの制度を整備してきたと承知しています。  このたびの熊本地震に対して、かながわDPATをいち早く被災地に派遣し、活動を開始することができたのは、そうした関係機関との協議や研修会等の体制整備を推進してきたからこそ、迅速な対応が可能であったと考えます。  熊本県の被災地に対するかながわDPATの派遣は、本日まで継続的に行ってきたと承知をしていますが、今後は、このたびの派遣の結果を検証し、かながわDPATとしての今後の体制をさらに充実していくことが必要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  熊本地震の被災地派遣において、かながわDPATがどのように対応し活動してきたか、また、今回の活動の結果を今後の体制の充実にどのようにつなげていくのか、あわせて知事の所見を伺います。  質問の第6は、市町村と連携した地震災害対策についてであります。  近年、伊豆大島や広島での土砂災害、御嶽山の火山災害、昨年の関東・東北豪雨での水害など、さまざまな自然災害が続いています。  我が国、そして本県は豊かな自然に恵まれている一方で、我々はこのような自然災害を常に意識し、万が一に備えていかなければなりません。  今回の熊本地震では、地震の脅威を改めて思い知らされました。特に、これまでの想定を超える事象も見られるなど、新たな課題が明らかになってきております。  建物の耐震の面での課題としては、震度7の揺れが2度発生し、余震が1,600回以上に及ぶような事態は、これまで誰も想定していなかった初めてのケースであります。この強い揺れにより、住宅ばかりでなく、防災上の重要な拠点である市の庁舎や医療機関などが被災し、初動対応が滞ったことなどが報道されております。  また、避難所の課題も多く取り上げられました。市町村が指定していた避難所が被災し、多くの方が避難所以外の場所に避難したほか、福祉避難所の不足や車中避難、それに伴うエコノミークラス症候群などの問題も顕在化しました。  特に、避難所の問題に関しては、東日本大震災の後、災害対策基本法が改正され、住民等が災害発生時に一時避難するための指定緊急避難場所と、災害により家に戻れなくなった場合に一定期間生活するための指定避難所を、市町村が指定することが義務づけられましたが、本県の市町村を見ても、なかなか進んでいない実態であります。  こうした避難対策は、基本的には市町村の役割であることは承知をしておりますが、広域調整を担う県としても、連携して取り組んでいくべきと考えます。  本県の地震災害対策として、最大震度7の大正型関東地震を想定した地震被害想定調査をもとに、「地震防災戦略」を策定したことは評価しているところでありますが、より一層の充実が必要であります。  そこで、知事に伺います。  本県では、この4月から新たな地震防災戦略がスタートして対策が進められているところです。今後は、この戦略に基づき、熊本地震で見られた新たな状況や諸課題を踏まえて、より一層、県と市町村と連携して地震災害対策に力を入れていくべきであると考えますが、知事の所見を伺います。  質問の第7は、保育における「3歳の壁」についてであります。  平成27年4月1日からスタートした子ども・子育て支援新制度では、全ての子供たちに必要な教育・保育サービスを提供することとされ、待機児童の解消を図ることとなっています。  待機児童数については、毎年、国が全国調査を実施しており、調査結果によりますと、待機児童のうち8割以上がゼロ歳から2歳の低年齢児であることから、低年齢児の保育の受け皿を確保することが、待機児童解消のためには重要であります。  新制度では、新たにゼロ歳から2歳の低年齢児を対象とした小規模保育事業や家庭的保育事業などの地域型保育事業が制度化されました。特に小規模保育事業は、定員19名までを受け入れる保育事業で、比較的小さなスペースで実施でき、駅前など保護者の利便性が高い地域で、素早く事業開始できるため、待機児童対策の切り札として期待を集めています。  この事業は小規模保育所とも呼ばれ、その利用児童は3歳になると原則として卒園しなければなりません。そのため、事業開始に当たっては、あらかじめ卒園児を優先的に受け入れてくれる認可保育所などの連携施設を確保することが求められています。  しかしながら、連携先となる認可保育所にも定員にあきがないところが多く、なかなか連携先が見つからず、せっかく制度化された小規模保育所の設置が進まないといった報道も多く目にしています。  さらに、保護者の方々からは、やっと小規模保育所に入園できたにもかかわらず、連携施設がないために、児童が3歳になったときに、再度入所できる認可保育所を探さなければならず不安だという声が多く上がっており、いわゆる3歳の壁と呼ばれ、大きな問題となっています。  本県においても、今なお待機児童の解消には至っておらず、全国の状況と同様に、その多くをゼロ歳から2歳の低年齢児が占めており、市町村では、今後、小規模保育所の整備を計画しているものの、連携施設の確保が課題になっていると承知しています。  そこで、知事に伺います。  小規模保育所の設置促進を図るためは、卒園する児童の受け手となる認可保育所に対する支援など、連携施設の確保に取り組むことが必要と考えますが、県として、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  質問の第8は、スポーツ行政と県立保健福祉大学との連携についてであります。  本県では、今年、平成28年4月から知事部局にスポーツ局が設置され、学校体育を除くスポーツ行政を一元化して実施することとなりました。  スポーツは、体力の向上、ストレスの発散、生活習慣病の予防など、心身両面にわたる健康の保持増進に欠かせないものです。誰もが、年齢や障害のあるなしにかかわらず、それぞれに合った形で、生涯を通じてスポーツに親しむことができるようにしていくことが大切です。  今回、これまで保健福祉局で行われていた健康増進のための運動や、高齢者、障害者に関するスポーツ行政がスポーツ局に一元化されました。それによる今後の新たなスポーツ施策の展開や広がりに期待をしています。  また、スポーツ行政を進めていくためには、広くソフト面から総合的かつ計画的に取り組むことが必要です。  例えば、健康面からスポーツを捉える場合、食や栄養と組み合わせて考えることが一般的となっています。その専門的指導者であるスポーツ栄養士や管理栄養士の活用が余り図られていないのではないでしょうか。今後、スポーツ行政を展開していく上で、これらの栄養学とのかかわりはますます重要になってくるものと思われます。  私の地元横須賀市にある県立保健福祉大学には栄養学科が設置されており、スポーツ栄養学の講義や研究が行われているところです。指導人材の中には、ナショナルチームの栄養指導を行った経験のある教授などもおり、スポーツ栄養に関するノウハウも豊富であると伺っています。  また、県立保健福祉大学では、基本理念の一つに地域社会への貢献を掲げており、スポーツに関する分野においても、こうした豊富な人材や指導・研究のノウハウなどを有効活用し、スポーツ施策にも生かしていくべきであると考えます。  そこで、知事に伺います。  スポーツ局の設置を契機に、スポーツ行政と県立保健福祉大学とのスポーツ栄養分野における連携を進めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。  質問の第9は、教育行政についてであります。  初めに、より実践的な防災教育について伺います。  従来、発生確率は比較的低いと言われていた熊本の断層で大規模な地震が起きたことにより、改めて災害はいつどこで起こるかわからないということを再認識させられました。  本県でも、東海地震や首都直下地震など大規模地震の発生が懸念されており、災害発生時の避難はもとより、被災後の避難生活についても、日ごろから万全な備えをしておく必要があります。  熊本での避難所生活を見ると、さまざまな問題が生じ、大変なご苦労をされております。こうした状況をあらかじめ少しでも体験し、すぐに動けるような実践的な訓練が必要だと痛感したところであります。  その中で、学校は、災害が発生した場合、児童・生徒の命を守る場であると同時に、地域の住民が避難所として集まってくる地域の核となる場所でもあります。こうしたことから、児童・生徒はまず自分の身を守り、安全に素早く避難行動ができるようにしておくことが第一です。  また、学校などの避難所では、小さな子供やお年寄りなどさまざまな人たちと共同生活を送ることになることから、地域の方々と助け合いながら活動できるようにしておくことも必要であると考えます。  国においては、地方自治体が地域の方々やNPO団体などと協力して、災害時を想定した宿泊訓練を行う防災キャンプという委託事業を行っております。平成27年度は12の道府県がこの事業を実施しております。  本県では、この事業を活用していませんが、児童・生徒が学校の体育館などに宿泊して避難生活を体験し、避難所の設置や運営などを実践することは非常に有効なことと考えます。  そこで、教育長に伺います。  県教育委員会としても、国が実施している防災キャンプ委託事業の枠組みも活用しながら、災害時を想定した宿泊訓練を行い、より実践的な防災教育に力を入れるべきと考えますが、教育長の所見を伺います。  次に、がん教育の更なる推進について伺います。  がんは国民の2人に1人が生涯のうちに罹患すると言われておりますが、本県においても、死亡原因の第1位です。亡くなった方の3人に1人はがんであり、県民の生命・健康にとって重大な問題となっています。  本県では、平成20年3月に議員提案により「神奈川県がん克服条例」を制定し、「がんへの挑戦・10か年戦略」や、それを引き継いだ「がん対策推進計画」に基づき、さまざまながん対策に取り組んでいるものと承知をしています。  国が策定したがん対策推進基本計画において掲げている、平成19年度からの10年間で75歳未満のがん死亡率を20%減少させるという全体目標については、達成できない見通しであるということです。  このため、国は昨年12月に、短期集中的に実行すべき具体案を明示したがん対策加速化プランを策定しました。このプランは、がんの予防、がんの治療・研究、がんとの共生の三つの柱から構成されており、いずれの柱にも重要な施策が列挙されています。  中でも、私が特に重要視しているのは、がん予防の柱に位置づけられている学校におけるがん教育についてです。子供のころから健康と命の大切さについて学び、みずからの健康を適切に管理する能力を身につけていくことが何より重要であると考えます。  また、がんは死に直結する病気であるといった誤った認識や、ネガティブなイメージが、治療と就労の両立を困難にさせる要因となっているのではないかとも感じています。  こうした中、県教育委員会では、中学校を中心にがん教育を推進していることは承知をしていますが、今後、高校での実施など、さらに充実強化していく必要があると考えています。  そこで、教育長に伺います。  子供のころから、がんに対する正しい理解と認識などを深めるがん教育について、今後どのように推進していくのか、教育長の所見を伺います。  質問の第10は、県民の安全・安心の確保についてであります。  初めに、ストーカー対策について伺います。  昨年、全国の警察で把握したストーカー被害は、3年連続で2万件を超えるとともに、本県についても、平成12年のストーカー規制法施行以降、高水準で推移していると伺っています。  このような中、全国的に見ると、本年2月、北海道では男が元妻の実家に押しかけ、その母親を刺殺し、元妻に重傷を負わせる事件が発生しました。この事件は、男が元妻の離婚後の対応に納得がいかず、ストーカー行為の末に及んだ事件と聞いています。  また、5月には千葉県のアパートで女性の遺体が見つかり、その後、離婚した元夫が殺人事件の容疑で逮捕されています。  さらに、先日、東京都小金井市のイベント会場入り口でアイドル活動をする大学生がファンに刃物で刺され、重体となる事件も発生しました。  ストーカー事案については、警察による対応によって、加害者によるつきまとい行為が沈静化する一方、先ほどの事件のように殺人等の凶悪事件に発展するケースが少なからずあるものと認識をしているところです。  これまでもストーカーによる殺人等凶悪事件の発生を受け、ストーカー規制法の改正が行われるとともに、最近では、平成25年に警察庁において有識者等による検討会が設置され、ストーカー行為等の規制のあり方や、被害者を支援するための取り組み、心理学的手法等による加害者対策のあり方が議論され、方向性が示されたと伺っています。  さらに、警視庁では、ストーカーによる被害防止を図るための取り組みとして、今年4月から、臨床心理士らによる加害者への更生を促す面談を試験的に始め、効果を検証した上で本格導入を検討するとの新聞報道がありました。  この取り組みは、ストーカー規制法に基づく警告や禁止命令を受けた加害者が、その後、つきまといや暴力をエスカレートさせたケースを踏まえ、加害者の精神状態の根本的な改善を目指すことで、深刻な被害を防ぐことが狙いと聞いています。  そこで、警察本部長に伺います。  ストーカー事案の現状と県警察における取り組み、さらに、加害者の更生を促すための取り組みを今後どのように行っていくのか、警察本部長の所見を伺います。  次に、県警察による震災対策について伺います。  昨今の自然災害状況等からも、我が国においては、地震と向き合いながら生活をしていかなければならず、大地震への備えが重要であると改めて感じたところであります。  このような自然災害について、神奈川県警の他県への応援派遣では、平成19年の新潟県中越沖地震、平成23年の東日本大震災の発生時にも広域緊急援助隊等を派遣し、被災者の救出活動や行方不明者の捜索、被災地域のパトロール等に従事したと聞いております。  特に記憶に新しい東日本大震災では、津波による被害が大きく、被災地域も岩手県、宮城県、福島県等と複数県にわたっていたことから、多くの警察官が派遣されたと記憶をしています。  今回の熊本地震では、県警察から、広域緊急援助隊や現地広報チーム、女性警察官等をいち早く現地に派遣したと聞いており、そのご苦労に対して改めて敬意を表するところであります。  本県においても、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの発生が懸念されているほか、熊本県と同様の活断層も、私が居住している三浦半島を含め、県内に複数存在しております。  さらに、政府の地震調査委員会によると、横浜市は今後30年の地震発生確率が78%と全国的に見ても高い確率です。万一、県内で大規模地震が発生した場合、県警察は総力を挙げ、一人でも多くの県民の命を救うことが使命であると考えます。  そこで、警察本部長に伺います。  熊本地震における県警察からの部隊派遣状況と、県内で大規模地震が発生した際の警察活動について伺います。  以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。  ご清聴まことにありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 亀井議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、地方法人課税における偏在是正措置に対する本県の対応についてお尋ねがありました。  地方税は本来、自治体が住民サービスを提供するための財源として、その自治体の住民の方々にご負担いただくものです。しかし、地方法人税は地域間の税源偏在を是正するため、地方税を国税化するものです。  また、法人事業税交付金は、市町村の減収分を都道府県の税金で補うものであり、いずれも地方税本来の役割に照らして極めて不適切と考えています。  さらに、法人事業税交付金の財源には、本県が独自に実施している超過課税による税収のうち、約8億円が含まれます。この点は特に問題であると考えています。  超過課税は本県の特別な財政需要に対応するために法人の皆様にご理解をいただき、議会でもさまざまな議論をいただいた上で実施しています。その税収が一部とはいえ、市町村への交付金の財源とされることは、本県の課税自主権に対する重大な侵害であり、地方分権の観点からあってはならないことです。  こうしたことから、私は地方法人税及び法人事業税交付金を速やかに廃止するべきと考えています。そこで、まず、地方法人税を廃止し、法人住民税に復元することについて、主張を同じくする東京都や県内市町村などと連携し、引き続き国に強く求めていきます。  また、法人事業税交付金も含めた不適切な偏在是正措置の見直しには法改正が必要となることから、県内選出の国会議員の皆様にも丁寧に説明し、本県の主張を後押ししていただけるよう働きかけてまいります。  次に、未病産業の創出についてお尋ねがありました。  超高齢社会において成長産業となり得る未病産業の創出は、経済のエンジンを回すための重要な取り組みと認識しています。  このため、これまで未病産業研究会におけるモデル事業の実施や企業のマッチングによる連携の促進、ME-BYO BRAND制度の創設、国の地方創生交付金を活用した販路拡大など、未病産業の創出に向けて取り組んできたところです。  こうした取り組みにより、未病産業の認知度が向上し、多くの企業が参入するなど、その裾野が広がるとともに、新しいビジネスモデルも具体的に動き出しており、確かな手応えを感じています。  今後は、県民の皆様に心身の状態を見える化し、ライフスタイルの見直しにつながる未病産業の商品、サービスのメリットを実感していただき、日々の生活の中で当たり前のように受け入れられる社会の実現を目指していきたいと考えています。  そこで、今年度は、未病のエビデンス-科学的な裏づけの確立や、健康に無関心な方々の行動変革につながるようなビジネスモデルの創出に取り組みます。  また、未病産業を神奈川から世界に広げるため、これまで覚書─MOUを締結するなど、本県と強い連携関係にあるシンガポールへ企業ミッションを秋に派遣します。そこでは、未病関連の商品、サービスを政府関係者に積極的にアピールするとともに、現地企業とのビジネスマッチングを実施し、同国での未病産業の展開を図ってまいります。  さらに、未病関連企業の活動を支えていくための民間との連携による資金供給の方策については、その必要性を検討していきます。  今後も、私が先頭に立って、未病概念の普及や国内外への発信に取り組み、神奈川発の未病産業の創出、発展に向け、全力で取り組んでまいります。  次に、県立がんセンター総合病院的機能の強化についてお尋ねがありました。  我が国では、団塊の世代の方々が75歳以上となる、いわゆる2025年問題など、高齢化が著しく進展しており、がん患者の高齢化も進んでいます。それに伴い、糖尿病、高血圧などの生活習慣病や心疾患などをあわせ持つがん患者がふえており、がんセンターにおいてもその傾向があります。  一方で、がんセンターはがんの専門病院のため、がん以外の疾患への対応が難しい場合があります。  例えば、がんセンターは循環器医療の体制が不十分なため、重篤な心疾患を抱えるがん患者については、診療体制が整った大学病院や総合病院などに依頼しています。また、重度の糖尿病をお持ちのがん患者は、手術前に他の病院で血糖値を下げる血糖コントロールを受けてもらうなどの対応を行うこともあります。  がんセンターでがんの治療と診療とあわせて、それ以外の疾患に対応することができれば、患者が複数の医療機関を渡り歩かなくても済み、より迅速で質の高い医療を提供することができます。  ただ、そのためには、専門の医師や看護師などのスタッフの確保が必須であったり、また、高額な医療機器や施設整備が必要となる場合があるなど、さまざまな課題もあります。  そこで、県内のがん治療の拠点病院であるがんセンターの役割や患者のニーズを踏まえながら、がんセンターでがん以外のどのような疾患に対応することができるのか、県立病院機構と総合的に検討してまいります。  次に、「地域医療構想」についてお尋ねがありました。  地域医療構想は、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、適切な医療提供体制をどのように確保していくかというビジョンです。中でも、急性期から回復期、慢性期まで、医療ニーズに応じた病床の機能分化や連携を進め、将来において不足が見込まれる病床機能を確保することは重要な課題の一つです。  地域医療構想の策定過程における必要病床数の推計によると、本県は回復期病床が不足するという結果が出ています。そのため、県では、現在、急性期以降、在宅復帰を支援するまでの役割を担う地域包括ケア病棟など、回復期病床への機能転換を進める医療機関に対して補助を行っています。  また、高齢化の進展に伴い増加が予想されるがんや脳卒中などの主要な疾患に対し、地域の医療機関が十分に対応できることが重要です。  県としては、毎年、医療機関から報告される病床機能報告結果や疾患ごとの医療提供状況をあらわすデータを収集、分析することにより、課題を見える化し、地域の声をしっかりと聞きながら、必要な医療提供体制を検討していきます。  また、退院後の円滑な在宅移行や不足する病床機能に対応できる医療従事者の確保、育成などの課題に対応するため、地域医療介護総合確保基金を活用して、必要な取り組みを進めていきます。  ただ、最も大事なことは一人一人が未病を改善し、健康な状態を長く続けることです。そこで、県としては、ヘルスケアニューフロンティア政策など、健康寿命を延ばす取り組みをさらに強力に進めてまいります。  こうした取り組みを通じて、2025年に必要な医療提供体制が確保できるよう、地域の医療関係者と十分に協力して、病床の機能分化・連携を進めてまいります。  次に、かながわDPATの今後の取り組みについてお尋ねがありました。  かながわDPATは、平成25年度の国の通知に基づき、県と3政令市で運営委員会の設置やDPAT研修を実施し、平成27年度に体制を整えたところです。  このたびの熊本地震では、4月17日にかながわDPATとして初となる第1陣を派遣し、6月1日までの間、9チームを継続して派遣しています。  今回の派遣では、精神医療が必要な方に対する避難所等などでの面接や、現地のDPAT活動拠点本部において支援の指示を行う統括業務を行っておりますが、その活動の中で幾つかの課題を認識しました。  その一つが、情報共有や連携の難しさです。派遣チームからは、情報が錯綜し、DPATやDMAT等、さまざまな支援チームの情報共有や引き継ぎ等連携が困難なこともあったとの報告がありました。  また、チーム数の不足も課題です。かながわDPATは、県内全体には9チームしかなく、大規模な支援の要請があった場合は、現在のチーム数では足りなくなることが想定されます。  今回の派遣で認識したさまざまな課題については、今後のかながわDPATの活動に役立てていきたいと考えています。  そこで、7月に開催予定のかながわDPATの報告会において課題を共有し、対応の検討を行います。また、DPAT研修に今回の活動結果を反映された演習を取り入れることで、現地での対応力など、質の向上にも取り組みます。  さらに、県内の精神科医療機関に参加を呼びかけ、チーム数の倍増を目指す取り組みを進めるほか、今後もかながわDPATの拡充に努めてまいります。  次に、市町村と連携した地震災害対策についてお尋ねがありました。  今回の熊本地震では、建物の倒壊や土砂崩れなど、大きな被害が発生し、改めて地震の揺れそのものの怖さを実感しました。  本県がこの4月からスタートさせた「地震防災戦略」では、揺れによる死者数を減らすことを大きな目標の一つにしています。この戦略は国の最新の知見に基づく被害想定調査を行い策定したものであり、本県の地震災害対策はまずこれを基本に進めていきます。  ただし、その後、今回の熊本地震において最大の揺れである震度7が連続して発生し、その後も強い余震が続くなど、これまで例のない揺れが大きな被害をもたらしました。これは現在、国においても被害想定や耐震基準では強い地震の連続は想定されておらず、全国的な課題として国レベルでの検討が必要です。  そこで、国では先週から、熊本地震の建築物被害の原因分析と建築基準のあり方などの検討に着手したところです。県としては、国の検討の動向を注視しながら、別途対応してまいります。  一方、今回の熊本地震では、避難所の耐震化や車中泊による健康問題など、避難所のより一層の充実が課題となりました。また、平成25年の法改正に伴う指定避難所及び指定緊急避難場所の指定の促進も課題となっています。  こうした課題に対しては、県・市町村地震災害対策検討会議や津波対策推進会議などを通じて、市町村とともに検討を行い、その結果を「地域防災計画」へ反映していきます。  さらに、広域応援体制として、県内全ての消防本部によるかながわ消防の仕組みを整えたところであり、地震災害対策については、市町村としっかりと連携をとりながら、オール神奈川でしっかりと取り組んでまいります。  次に、保育における3歳の壁についてお尋ねがありました。  小規模保育所は3歳で卒園する児童の受け入れ先として、認可保育所など連携施設の確保が必要ですが、平成31年度までは連携施設を確保しなくても開設できる経過措置が設けられています。  現在、県所管域には45カ所の小規模保育所がありますが、そのうち連携施設が確保できているのは22カ所にとどまっており、保護者にとって3歳の壁と言われる受け入れ先の確保が課題になっています。  このため、県では、平成27年度から、連携施設となった認可保育所に対し、新たに発生する業務を担う職員を配置するために必要な人件費を補助し、連携施設が卒園児を受け入れやすくなるよう支援に取り組んでいるところです。  こうした中、本年4月に、認可保育所だけでなく、幼稚園に対しても小規模保育所などの連携施設になることを促すよう国から通知が出されました。本県には600を超える幼稚園がありますので、受け入れ先として重要な施設になると考えています。  そこで、県では市町村とともに、小規模保育所に近接する幼稚園に制度説明を行うなど、連携施設となっていただけるよう働きかけていきます。  また、幼稚園が連携施設になるためには、職員の追加配置などの体制整備が必要となるため、国に対して幼稚園に対する補助制度を創設するよう、速やかに要望活動を行うなど、これまで以上に連携施設の確保に努めてまいります。  最後に、スポーツ行政と県立保健福祉大学の連携についてお尋ねがありました。  スポーツで最高のパフォーマンスを発揮するためには、効果的なトレーニングを行うとともに、適切な栄養管理をすることが大切です。  そこで、県では、これまでも県立保健福祉大学と県立体育センターが連携し、県内のパラリンピアンに対する栄養サポートなど、スポーツ栄養の考え方を取り入れた事業を実施してきました。  適切な運動とともに、正しい食事をとることはアスリートのみならず、一人一人の健康づくりの原点でもあります。そこで、今後は、広く県民の皆様を対象とした取り組みを進めていきます。  まず、保健福祉大学の教員等が食事バランス診断等を行う未病を改善する栄養サポートセンター事業をかながわパラスポーツフェスタ等で実施し、一人一人の体力や日ごろの運動の状況等に応じた栄養指導を行います。  また、スポーツ団体と連携し、学校や地域、グループでスポーツを楽しむ若者を対象に競技内容や体格、技量などに応じた栄養プログラムを提供するための仕組みを検討していきます。  さらに、現在、教育委員会では体育センターの再整備に取り組んでいます。これを契機として、保健福祉大学とのスポーツ栄養分野における一層の連携について検討していきます。  県は、今後も保健福祉大学の持つ人材やノウハウを活用し、スポーツ栄養の考えを取り入れた施策を推進することで、県民の健康づくりにつなげてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  災害時を想定した、より実践的な防災教育についてです。  県教育委員会では、児童・生徒が災害についての正しい知識と的確な判断力を身につけるとともに、身近な人の安全にも貢献できることは大変重要なことと認識しています。  そのため、県立学校では災害時に避難場所となる体育館で地域の方と一緒に避難所の設営訓練を行うなど、体験型の防災訓練に取り組んできました。  こうした取り組みの一つとして、平成26年9月には県立有馬高校でモデル的に宿泊を伴う防災訓練を実施したところです。この訓練では、同校の1年生304名を初め、教員30名、海老名市消防署員20名などが参加して、負傷者搬送やAEDなどの体験訓練を行いました。あわせて、生徒と教員が避難場所となる体育館や格技場に実際に宿泊する訓練を行っております。  この訓練に参加した生徒からは、今回の訓練を機会に非常時の準備をしようと思った、他人と一緒に寝ることで、人に迷惑をかけないことが大事だと自覚したなどの声があり、生徒の防災意識の向上が確実に図られたものと考えています。  一方で、多数の生徒が一晩にわたって参加する宿泊訓練では、生徒の体調管理やセキュリティーなどの面で万全を期す必要があります。そこで、今後、地元の市町村ともご相談しながら、地域の消防や医療関係者などに協力していただく体制を整えてまいります。  そして、国の防災キャンプ事業の活用も含め、生徒参加型のより実践的な防災教育にしっかりと取り組んでまいります。  次に、がん教育のさらなる推進についてです。  県教育委員会では、平成25年3月に策定された「神奈川県がん対策推進計画」に基づき、全ての学校現場でがん教育を実施することを目指しています。このため、平成26年度から国の委託事業であるがんの教育総合支援事業を活用し、子供たちががんについて正しく理解できるよう、がん教育の取り組みを進めているところです。  具体的には、医師や専門家等のアドバイスをもとに授業で使用する教材を作成し、昨年度は県内各地域の中学校10校でモデル授業を実施しました。また、指導する教員を対象とした研修を行うとともに、指導用資料の作成などにも取り組んできました。  このモデル授業を受けた生徒にアンケートを行ったところ、日ごろの生活習慣を見直すことが大切、がんになったら家族みんなで支えることが大事といった感想が寄せられており、がんに対する理解が今まで以上に深まったものと受けとめております。  こうしたことから、今年度も引き続き国の委託事業を活用して中学校でのモデル授業を実施し、その対象校を20校に拡大していきたいと考えています。さらに、中学校での成果を踏まえ、今年度から新たに県立高校においてもモデル授業を実施してまいります。  今後も、全ての生徒ががんに対する正しい理解を身につけ、命の大切さに対する理解を深めてもらえるよう、がん教育に積極的に取り組んでまいります。  答弁は以上でございます。  〔警察本部長(島根 悟)発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 島根警察本部長。 ◎警察本部長(島根悟) 初めに、ストーカー対策についてお答えします。  本県における平成27年中のストーカー事案の認知件数は1,014件となり、前年に比べて103件減少したところですが、2年連続で1,000件を超えるなど、依然として高い水準で推移しております。  県警察では、警察本部と警察署が早期に情報を共有し、危険性や緊急性を判断した上で、各種法令の適用による積極的な事件化やストーカー規制法に基づく警告等の実施、被害者等の避難措置を講ずるなど、組織的対応の徹底を図っております。  また、被害者や家族への危害を防止するため、関係機関と連携したシェルターへの避難や住民基本台帳の閲覧防止のための手続、緊急時に迅速に対応するための110番通報システムへの被害者情報の登録、被害者宅への防犯カメラの設置など、適切な措置を講じています。  しかし、議員ご指摘のとおり、警察が警告や禁止命令、事件化などの措置をとったとしても、中には執拗にストーカー行為をやめずに繰り返す者があり、このようなストーカー加害者に対しては、特別な対策が必要であると考えられております。  そこで、県警察では、ストーカー規制法に基づく警告等を受けた加害者について、更生を図るための新たな制度の構築に向け、現在、医療機関等と調整中であります。  具体的には、警察と精神科医療機関等が連携し、加害者の同意を得た上で精神科医療機関等に加害者情報を提供し、医師等が必要と判断すれば、加害者にカウンセリング等の治療を促すとともに、医師等から加害者の心理やその対応について警察が助言を受けるものです。  県警察としては、この取り組みの早期実現を目指すとともに、引き続き各種法令や制度の的確な運用を図り、警察組織の総合力を発揮し、被害者の安全確保を最優先として、ストーカー対策の徹底を図ってまいります。  次に、県警察による震災対策についてお答えします。  初めに、熊本地震における県警察の部隊派遣状況についてですが、4月16日から5日間、広域緊急援助隊警備部隊17人が南阿蘇村における行方不明者の捜索活動に、現地広報チーム8人が警備部隊をサポートしながら広報活動を実施いたしました。  続いて、緊急災害警備隊151人が4月19日から6日間、南阿蘇村において、行方不明者の捜索活動に、広域緊急援助隊交通部隊35人が4月23日から10日間、熊本市内において緊急輸送路の確保や交通監視等の交通対策に従事いたしました。  さらに、特別生活安全部隊として、女性警察官10人が5月15日から10日間、避難所を巡回して困り事相談、防犯指導等に当たりました。  次に、県内で大規模地震が発生した際の警察活動についてですが、県内において大規模な地震が発生した際には、警察本部に県警察災害警備本部を、各警察署には警察署災害警備本部を設置して指揮体制を確立します。  発生直後は各自治体や関係機関等と連携して被害状況を把握するとともに、県警察の総力を挙げ、救出救助及び避難誘導、行方不明者の捜索、緊急交通路確保等の交通対策等を行います。  その後、段階的にパトロール活動による犯罪の予防など、公共の安全と秩序の維持に当たるとともに、避難所における困り事相談や防犯指導等、被災者に寄り添った活動を行ってまいります。  仮に被害が甚大で本県警察のみで対応ができない場合は、他都道府県警察から応援を得て、県民の安全・安心確保に万全を期してまいります。  以上でございます。  〔亀井たかつぐ議員発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 亀井たかつぐ君。 ◆亀井たかつぐ議員 知事、教育長、警察本部長、ご答弁ありがとうございました。  1点、再質問をさせていただきたいと思います。  「地域医療構想」についてなんですが、私の質問は地域医療構想策定後、どう病床転換をソフトランディングさせていくかということがメインの質問の内容なんですが、今ご答弁いただいたのは、もちろん非常に大切なことで、各関係機関と連携しながら、協力しながら、これはソフトランディングしていくということなんですね。  私も問題提起の中でもお話ししたように、各医療機関はいろいろな利害もありますし、非常にセンシティブな問題ですから、なかなかそううまくはいかないんじゃないかなという懸念があります。そのときに、どこがイニシアチブをとるのかということが非常に皆さん疑問に思うというか、懸念されることではないかなと思うんですが、そこをどういうふうに考えているか質問させていただきます。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  これは、先ほど申し上げましたが、地域医療構想の策定過程における必要病床数の推計、これが出ておりますので、それに基づいて今進めているというところです。回復期病床が不足するという結果が出ていますから、そこの部分を補わなければいけないということです。  先ほども申し上げましたが、その機能転換を進める医療機関に対しまして補助を行っているということでありますので、県がイニシアチブをとってその作業を進めていくということであります。  答弁は以上です。  〔亀井たかつぐ議員発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 亀井たかつぐ君。 ◆亀井たかつぐ議員 今、補助をして県がイニシアチブをとっていきますよという話なんですが、もし仮にそれでもうまくいかなかったときに、どうするのかなということが疑問なんですが、再々質問で大変恐縮なんですが、いかがですか。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) ご理解が得られるように県がしっかりとご説明してまいります。  〔亀井たかつぐ議員発言の許可を求む〕
    ○議長(森正明) 亀井たかつぐ君。 ◆亀井たかつぐ議員 知事がそうおっしゃっていただくので、安心はしませんが、ぜひそのような取り組みをお願いしたいと思います。  多少時間がありますので、要望も交えて少しお話をさせていただきますが、未病産業の創出についてであります。  これは、先ほど私も指摘をさせていただいたんですが、民間と連携した資金供給に関しては、大阪府のほうで、平成22年度から大阪府と製薬企業もしくは医療機器メーカー、もちろん金融機関とも連携して、大阪バイオファンドというのを組成しているんですね。これは11.2億円で組成をして、今それを運用しています。私、大阪府のほうともいろいろ意見交換もさせていただいたんですが、うまくそれが機能して、リターンもあって、今、非常にスムーズに運用されていますということのようです。  ですから、これからいろいろ検討しながらという話もありましたが、ぜひこのファンドも一つ視野に入れていただいて、神奈川の場合でしたら、神奈川ヘルスケアファンドですかね、そのような形でぜひご検討いただきたいと、そのように思います。  あとは、かながわDPATの今後の取り組みについては、これから倍増するという知事のご答弁もありました。かながわDPATは今9チームあって、きょう最終的に第9陣が帰ってくるということですが、もっと大きな災害があったときにどうするんだといったときに、倍とか、その倍とかという話になるかなと思います。  ですから、DPATは今の体制で、神奈川としては一番初めに駆けつけたということもありますけれども、これから質、そして研修も含めた量の拡充、これにもぜひお願いしたいと、そのように思います。  あと、防災キャンプについては、もちろん健康面、あとはセキュリティー面がありますが、ぜひ国の委託事業の防災キャンプ、これを視野に入れながら、より実践的な防災教育を図っていただくことをお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○議長(森正明) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(森正明) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時14分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成28年第2回-20160601-027934-質問・答弁-井坂新哉議員-代表質問①災害対策について②原子力艦の災害対策について③米軍基地に関する問題について④アスベストに関する問題について⑤神奈川県の公共施設等総合管理計画の策定について⑥神奈川県総合リハビリテーションセンターの指定管理料の見直しについて⑦保育の充実について》                   午後2時35分 再開  〔議会局長報告〕  出席議員 議長共92名 ○議長(森正明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(森正明) 質問を続行いたします。  井坂新哉君。  〔井坂新哉議員登壇〕(拍手) ◆井坂新哉議員 日本共産党の井坂新哉です。  私は日本共産党県議団を代表しまして、発言通告に従い、知事に質問をさせていただきます。  質問に入る前に、4月に起きました平成28年熊本地震において亡くなられた方々に哀悼の意をささげるとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。  避難されている方々が一刻も早くもとどおりの生活を取り戻すことができるよう、私たち日本共産党としても救援と復興に力を注ぐものです。  それでは、質問に移ります。  質問の第1は、災害対策についてです。  初めに、避難所について伺います。  4月の熊本地震は活断層による直下型の地震であり、さらに、断層に沿って震源域が変わり、震度6、7の地震が複数回発生するなど、これまでにない状況となっています。  そのような中で、高速道路や新幹線などの交通網の遮断、それによる物資の運搬の困難性、連続する震度6以上の地震による建物の倒壊、車での避難生活など、災害対策の課題も浮き彫りになっています。  私は、今回の質問ではこのような課題の中で、特に避難所の問題に絞って質問をいたします。  避難所の問題としては、避難所の設置、運営だけでなく、車の中で避難生活をする方や自主的に避難する方など、指定された避難所以外に避難した方も多く、その対応も必要になっています。  国は避難所の基準を明確に示しておらず、その収容人数は各市町村に任されています。例えば、横浜市の避難所は458カ所が指定されていますが、収容人数は発表されていません。川崎市は人口約148万人に対して、収容人数は約29万7,000人と約20%、相模原市は人口約72万人に対し、収容人数は約12万1,000人で約17%、藤沢市は人口42万6,000人に対して、約6万8,000人で約16%などとなっています。  各自治体の事情により、避難所の設定に違いはあると思いますが、人口と比較しても避難所の収容人数は不足している状況です。  そこで、知事に伺います。  県は各市町村と連携をとって「地域防災計画」を策定していると思いますが、このように避難所が不足している状況をどのように捉えておられるでしょうか、また、指定された避難所以外のところで避難生活をされている方への支援をどのように考えておられるのか、あわせて知事のご所見を伺います。  次に、福祉避難所について伺います。  今回の熊本地震でも、福祉避難所の開設と受け入れについては課題が浮き彫りになっています。  毎日新聞や熊本日日新聞などの報道によれば、熊本市では福祉避難所として176施設、約1,700人の受け入れが可能となっていましたが、4月27日現在で41施設207人しか受け入れが進んでいないとのことでした。  その要因としては、施設側の準備や要支援者への周知がほとんどされていなかったからとのことです。こういう状態のため、熊本市は、急遽、福祉避難所に指定していなかった県の身体障害者福祉センターを福祉避難所としたり、北九州市にある介護つき有料老人ホームなどに受け入れを要請したとのことです。  福祉避難所の設置については、今年4月に内閣府が福祉避難所の確保・運営ガイドラインを出していますが、その中でも、福祉避難所を支える支援者の確保が不十分であった、どの被災者に福祉避難所へ避難させるかの判断が難しかったなどの課題が挙げられています。  福祉避難所の設置、運営などは各市町村が中心的に対応することになっていますが、福祉避難所の確保や要援護者の移動、人手不足などについては、県が市町村の枠を超えて対応しなければならない点もあると考えます。  そこで、知事に伺います。  このような福祉避難所の課題について、県としてどのように認識しているでしょうか、また、市町村と連携をとり、福祉避難所の確保など、広域的な対応も必要と思いますが、どのようにお考えか、あわせて知事のご所見を伺います。  質問の第2は、原子力艦の災害対策についてです。  初めに、原子力艦の原子力災害対策マニュアル検証に係る作業委員会の検討経過と見解について伺います。  これまでもこの問題については議会で取り上げてきましたが、3月30日に原子力艦の原子力災害対策マニュアル検証に係る作業委員会が5回にわたる検討の結果、見解を取りまとめました。  その中で特に注目されたのが、事故があった場合に対応する範囲である応急対応範囲等の検討についてでした。  検証作業委員会は、検討の中でスケーリングによる試算方法を採用しましたが、このスケーリングによる試算では、福島第一原発と原子力空母の原子炉内の放射性物質の蓄積量を比較し、その比率から、原子力空母の避難を実施する範囲を半径1キロ、屋内退避を実施する範囲を半径3キロとする見解を示しました。  しかし、この試算の仕方は、従来行われてきた原子炉の構造を把握し、どのような事故が起きるのかという事故想定をし、事故が及ぼす影響や被害状況を踏まえて避難計画などを策定するというものとは大きく異なるものです。  結局のところ、原子力空母の原子炉の構造や米軍の災害時の対応などが軍事機密で、日本では知ることができないために採用された手法であり、決して最悪の事故を想定した場合の対応を検討したものではありません。  見解の中でも、なお、実際の事故発生時に影響が及ぶ範囲は、応急対応範囲より狭いことも広いこともある。このため、応急対応範囲の外であっても、新指針と同様に対処していくことをマニュアルに明記すべきであると書かれており、事故が起きた場合の対応として十分な範囲とは言えないものとなっています。  私たちは、最悪の事故を想定した防災計画、災害対策マニュアルをつくる必要があると指摘してきましたが、その指摘とは大きくかけ離れていると言わなければなりません。  さらに、横須賀には動く可能性が高い危険な活断層があり、地震と原子力災害が同時に発生するという複合災害や原子力艦船が複数寄港していた場合の対応なども勘案する必要があったのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  最悪の場合を想定していないこと、スケーリングによる試算方法を使っての検討など、マニュアル検証に係る作業委員会の検討経過と見解について、どのように受けとめておられるのか、知事のご所見を伺います。  次に、事故を想定した地域防災計画の策定について伺います。  私は今回の見解について本当に疑問に思うのは、市民感覚に照らしてこのような結果で本当に皆さんが納得するかということです。  例えば、横須賀市では、これまでの原子力艦に対する応急対応範囲は市内全域となっていました。しかし、今回の作業委員会の見解では、原子力空母のUPZ─緊急時防護措置を準備する区域に相当する範囲が3キロメートルとなると、応急対応範囲が小さくなる可能性もあるわけです。  もし、モニタリングポストで5マイクロシーベルトの値を感知したと発表したときに、3キロメートルより外の方がどう反応するのか、その方たちがみずから避難を始めたら、それこそ大きな混乱が起きるのではないかと危惧するものです。  そこで、知事に伺います。  私は、今回の見解は、市民の感覚と大きなずれがあると考えていますが、実際に地域防災計画をつくる際には、事故が起きた場合の対応として十分な範囲を設定する必要があると思いますが、どうお考えか、知事のご所見を伺います。  質問の第3は、米軍基地に関する問題についてです。  初めに、沖縄県での元米海兵隊員による事件を踏まえた対応と日米地位協定の改定について伺います。  沖縄県うるま市で4月から行方不明となっていた20歳の女性の遺体を遺棄した疑いで元米海兵隊員が逮捕され、報道によれば、殺害についても供述するという事件が起きました。  私たちは、容疑者の罪を厳しく問うとともに、もはや再発防止、綱紀粛正などではこのような事件を根絶することはできないと怒りを込めて米軍に強く抗議するものです。  神奈川でも、2006年1月3日の早朝、横須賀で通勤途中の女性が米軍人に殺害された事件や、2008年3月19日夜にタクシー運転手が刺殺された事件など、県内で人命が奪われる事件が発生しています。  米軍人軍属によるこのような犯罪は、日本に米軍基地があるがゆえの事件であり、米軍基地を抱える神奈川県としても、今回の事件を見過ごすことはできません。  そこで、知事に伺います。  知事として、このような事件に対して米軍に抗議し、国民・県民の生命を守るためにも米軍基地の撤去を求めるとともに、日本政府には不平等な取り扱いを決めている日米地位協定の抜本的な改定を強く求める必要があると思いますが、どのようにお考えか、知事のご所見を伺います。  次に、横浜ノースドックでの米軍軍事訓練に対する対応について伺います。  4月25日、29日に横浜港の米陸軍施設─横浜ノースドックとその周辺で、米空軍横田基地所属のヘリコプターUH1が、日本側へ通知せずに特殊訓練をしていたことがわかりました。この訓練は特殊任務飛行班によるもので、夜間は暗視ゴーグルも用いるなど、難易度が高いとされているとのことです。  ノースドックの南西側は観光施設が集まるみなとみらい地区であり、北東側は工場や発電所が、西側は横浜駅周辺の商業施設が集まっている状況となっています。このような地域で、かなりの危険が伴う訓練を行うことは絶対に容認することはできません。  そもそも、横浜ノースドックは港湾施設として米側に提供されたものであり、横浜市も神奈川県も訓練施設ではないと位置づけています。  また、ノースドックの周辺海域を含む上空には訓練空域の設定もされていません。したがって、ここでの訓練は日米地位協定に違反する疑いが極めて強いものと言わざるを得ません。  さらに、今回のように訓練を目的としていない施設で軍事訓練を容認することは、ますます軍事訓練ができる施設をふやすことになり、このまま訓練の実施について抗議し、二度とこのような訓練を行わないようにしておかなければ、訓練の常態化につながると考えます。  そこで、知事に伺います。  県として、訓練に抗議し、訓練の中止を米軍に求めるとともに、国に対して、米軍に抗議と訓練の中止を求めるよう要請する必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか、知事のご所見を伺います。  質問の第4は、アスベストに関する問題についてです。  初めに、アスベスト対策に関する県の考え方について伺います。  昨年11月、横浜市港北区の慶応大学の実験室の改修工事で、断熱材として使われていたアスベストの存在を確認しないまま工事が行われました。そして、その仕事に従事していた建設作業員の訴えから、今年3月に横浜市が立入調査を実施し、行政指導が行われています。  また、昨年12月、老朽化などの理由で民間に売却された海老名市の市営住宅の解体工事で、アスベストを含む非飛散性の建材の除去をする際、規定では手作業で散水などの飛散防止をしながら作業することになっていましたが、このことが現場で徹底されず、重機で作業していたことを周辺住民が指摘し、事態が発覚しました。  また、今年3月には、JAあつぎ旧本所の解体工事で基準値を超えるアスベストが検出されたため、県は工事を中止するよう発注者と事業者に指示をしました。  このように、県内でアスベストを含む建材の除去において適切な対応がされていないケースが多く報告されています。  アスベストは建材として広く使われていましたが、吸引することで中皮腫や肺がんなどの深刻な健康被害を発症するリスクが高く、近年では、そのアスベストを長年使用していた建設作業員が死亡に至るケースがふえ、その責任と賠償を求める裁判が起こっています。  このような健康被害が明らかになったため、2012年には全てのアスベスト含有製品が全面禁止となりました。しかし、アスベストはこれまでに約1,000万トン輸入され、約9割が建材として使用されていますが、その使用実態は十分に把握されていません。  現在、アスベストの規制は徐々に強化されてきていますが、さきに示したように、県内でも適正に対応がされていない状況が見受けられます。  5月13日に総務省から出されたアスベスト対策に関する行政評価・監視の結果報告書と、それに基づく勧告でもその指摘がされています。この報告書では、全国の調査結果から、事前調査が不十分な事案について情報収集の仕組みを整備することや、大気汚染防止法の規制対象外のアスベスト含有成形板について処理実態を把握し、措置を講じることなどが勧告されています。  これらの勧告から、今後、アスベスト対策を強化していく方向性が示されていることは間違いありません。  そこで、知事に伺います。  これまでの県内であったアスベストにかかわる不適切な事案を受けて、今後どのように把握し、対応しようと考えておられるのか、また、国の勧告などを受け、今後、アスベスト対策を強化する必要性についてどのようにお考えか、あわせて知事のご所見を伺います。  次に、アスベスト対策の強化に関する対応と国への要請について伺います。  アスベスト対策を強化するためには、人的な配置を強化するとともに、各局間の連携も大切になると思います。アスベストに関する規制等については、大気汚染防止法の関係で環境農政局、建設作業員の健康被害防止として労働安全衛生法での対応が産業労働局、建設リサイクル法の関係で県土整備局など、局をまたがった状況となっています。  そこで、知事に伺います。  アスベスト対策を強化するためには、規制の中心となる大気汚染防止法を所管する環境農政局を中心とした各局の連携を強化し、使用実態の調査、解体作業時の立入検査など、人的配置と予算の充実が必要と思いますが、どのようにお考えでしょうか、また、このような取り組みの強化には、国にもっと抜本的な対策の強化を要請する必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか、あわせて知事のご所見を伺います。  質問の第5は、神奈川県の公共施設等総合管理計画の策定についてです。  公共施設等総合管理計画は、2014年4月に総務大臣通知が出され、各地方自治体に計画の策定が要請されています。その趣旨は、厳しい財政状況と今後の人口減少等により公共施設等の利用需要が変化していくことが予想されるため、早急に公共施設等の更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行い、財政負担を軽減、平準化することが必要とのことです。そして、この計画を策定すると施設の除却などに起債が認められるとのことです。  県内では、既に、横浜、川崎、相模原の3政令市を含めると13市町で計画が策定されています。  こうした中、県も本年度に計画の策定を進めるとのことですが、その方向性については、まだ特段示されておりません。とりわけ、県では2012年から緊急財政対策として、県営住宅や県有施設の廃止や統合、指定管理者制度の移行などを進めてきました。  私たちは、このような緊急財政対策については、県民の生活や文化、芸術、さまざまな活動を支えるという観点から撤回を求めてきました。  こういう経過を踏まえて、新たに長期間にわたる公共施設等総合管理計画を策定するというと、まさにこの緊急財政対策との関連性がどうなるのか危惧するところです。  また、2013年8月には県公共施設の見える化を策定し、今後30年間の維持修繕コストの将来推計などを算出しており、これらの取り組みと公共施設等総合管理計画の関係性についても影響があると考えられます。  そこで、知事に伺います。  緊急財政対策や県公共施設の見える化など、これまでの取り組みと公共施設等総合管理計画はどのように関連するのか、また、この計画の方向性についてどのようにお考えか、あわせて知事のご所見を伺います。  質問の第6は、神奈川県総合リハビリテーションセンターの指定管理料の見直しについて伺います。  神奈川県総合リハビリテーションセンターは、次期指定管理期間の2016年度から2025年度までの10年間の運営を4月からスタートさせました。しかし、指定管理者の神奈川県総合リハビリテーション事業団が昨年10月に職員に提示した新たな給与制度について、これまで職員団体と交渉を続けてきましたが、いまだ合意に至らず、給与制度の改定は見送られているとのことです。  この新たな給与制度は、削減された指定管理料の中で安定した経営を実現するために避けて通ることはできないとして、リハ事業団が職員団体に提案したものですが、大幅な給与引き下げの提案のため、職員は猛反発しているとのことです。また、この影響もあり、今年3月末までに退職した方が例年より多かったとのことです。  全国的に、医療・福祉の人材不足が叫ばれているときに、職員の給与を大幅に引き下げることは、人材確保の上での困難を一層大きくするものであり、専門性の高いリハセンターの機能を低下させることを懸念するものです。  こうした事態に至ったのは、県の指定管理料の積算が職員給与の大幅引き下げを前提にしたものだったからにほかなりません。  そこで、知事に伺います。  県として、現在のリハ事業団の給与制度をめぐる状況をどう認識しておられるのでしょうか、また、県の責任を率直に認め、県として、医療・福祉の専門性や経験を適切に評価する給与体系に改めるため、指定管理料を増額するべきと考えますが、あわせて知事のご所見を伺います。  質問の第7は、保育の充実についてです。  初めに、保育所不足の解消について伺います。  保育の充実については、国を初め、どこの自治体でも重視されている政策の一つですが、なかなか進んでいないというのが実情です。  政府が3月に示した待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策についてでは、定員を超過する入園や幼稚園での長時間の預かり保育の支援、企業主導型保育事業の積極的展開などが出されました。  特に、保育所の受け入れ基準を緩和し、今までの施設に、これまで以上の乳幼児を入れることや、保育に携わる方が全て保育士でなくてもよいとする小規模保育事業について、受け入れを19人から22人にふやすことなどについては、保護者や保育士、自治体関係者から不安や疑念の声が相次いでいます。  子供の命を守る保育施設のさまざまな基準を緩和することは、子供の安全・安心の大もとを揺るがす重大な問題です。子供の保育施設における死亡事故は毎年発生しており、このことを受けて、政府は、地方自治体と施設・事業者向けに、今年3月に、教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインを作成しました。  待機児童を減らすために安全を犠牲にすることは、絶対にあってはならないことです。私たちは、待機児童の解消のためには、政府が示した緊急対策ではなく、公立保育所や認可保育所をふやすなど、安心して子供を預けられる施設をふやすことが重要と考えています。  とりわけ、公立保育所については、2004年に国が公立保育所の運営費補助を一般財源化して以降、全国的にも大幅に減少しています。県内では、昨年4月1日現在で、認可保育所に申し込んだが入園できず、不承諾通知を受けた児童数は8,251人となっており、認可保育所が不足している実態が示されています。  そこで、知事に伺います。  深刻な県内の保育所不足解消のために、公立保育所や認可保育所をふやすための財政措置を強化するよう国に求めるとともに、県としての支援を強化する必要があると思いますが、どうお考えか、知事のご所見を伺います。  次に、保育士の処遇改善について伺います。  保育士の確保のためには、保育士の処遇改善などの抜本的な改善は急務です。しかし、小規模保育園などで保育士の配置基準を弾力化し、保育士の資格を有している方は半分でよいとすることなどは、保育士の専門性を軽視し、保育の質の低下だけでなく、保育士の処遇改善を妨げるものと思います。  保育士の賃金は、全産業の給与平均と比べて、月平均で10万円低いと言われていますが、国が示している公定価格の基準によると、経験年数による賃金の加算率は11年で頭打ちという状況です。経験が大事な仕事であるにもかかわらず、このような基準では保育士確保が進むとは到底言えないと思います。  政府は、保育士の賃金を来年度から2%、月約6,000円の引き上げを検討していますが、これでは抜本的な保育士の賃金の改善にはつながりません。  今年3月に野党が共同して、保育士賃金の月5万円引き上げの法案を提出したように、保育士の大幅な賃金引き上げの対策が必要です。  そこで、知事に伺います。  保育士の処遇改善については、公的な支援対象となる保育士の配置をふやすことにより、1人当たりの負担軽減を図るための配置基準の見直しや大幅な賃金の引き上げを国に求めるとともに、県として各市町村と連携し、賃金引き上げの緊急対策をとる必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか、知事のご所見を伺います。  以上で、私の1回目の質問とさせていただきます。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 井坂議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、災害対策についてお尋ねがありました。  まず、避難所についてです。  最初に、避難所の受け入れ人数に関するお尋ねです。  避難所の数や人口に対する受け入れ人数の割合について、法令上明確な基準はありません。なお、県の地震被害想定をもとに切迫性が指摘されている南海トラフ地震や都心南部直下地震での避難者数を見ると、おおむね避難所の規模は充足されています。  しかし、熊本地震で見られたように、健康問題や避難所の耐震性の問題もありますので、今後とも避難所の質量ともに充実を図る必要があります。  次に、避難所以外のところで避難生活をされている方への支援についてです。  熊本地震では1,600回を超える余震が続いたことなどから、車中泊避難など、避難所以外に避難する方が多く発生しました。  避難所以外の避難者への対応に関しては、避難者の数や状況の把握、避難者への情報や物資の提供、健康面でのサポートなどが課題となります。  県としては、こうした課題に対して、実際に避難所の設置、運営を行う市町村と検討を進め、避難者対策の充実に努めてまいります。  次に、福祉避難所についてです。  福祉避難所の指定につきましては、災害対策基本法に基づき、市町村が行うものであることから、その確保についても同様に市町村が行っています。県は、避難に当たり支援が必要な方のために、設備、体制が整った高齢者福祉施設や公共施設を福祉避難所として活用できることが重要であると認識しています。  そのような中、本年4月に内閣府が作成した福祉避難所の確保・運営ガイドラインでは、福祉避難所は一般の避難所に比べて支援の必要な高齢者や障害者などが多くなるため、災害時には人手が確保できないといった課題があることが指摘されています。  そこで、県では、福祉避難所の確保に向け、あらかじめ福祉施設管理者等と市町村が災害時の対応について協定を締結することを促進しています。  また、大規模災害に備え、広域自治体として、市町村とともに引き続き福祉関係団体等と職員派遣に向けた連携を強めてまいります。  次に、原子力艦の災害対策についてお尋ねがありました。  まず、原子力艦の原子力災害対策マニュアル検証に係る作業委員会の検討経過と見解についてです。  国が昨年11月に設置した作業委員会では、有識者と関係省庁の職員により、これまで5回の審議が行われ、今年3月に見解が取りまとめられました。審議の中では、原子力災害に係るマニュアル類や国際基準等の検証、商業炉との比較、地元自治体の実情把握など、さまざまな観点から総合的な議論がなされたと承知しています。  その結果、災害時に避難等を実施する応急対応範囲については、現行のマニュアルどおり、半径3キロメートルとされたところです。この見解に対しては、国の責任において、福島第一原子力発電所事故の最新の知見と原子力艦固有の原子炉の特性を踏まえて示されたものと受けとめています。  次に、事故を想定した「地域防災計画」の策定についてです。  原子力災害対策の基準等については、その特殊性と高い専門性から、国の責任のもとで統一的に定められています。このため、地域防災計画のうち、原子力災害対策については、国の定める防災基本計画等に基づいて策定されています。  今回、国の作業委員会から示された応急対応範囲についても、全国統一的な基準として出されたものと考えています。  今後、国は作業委員会の見解を受けて、原子力艦の原子力災害対策マニュアルの見直しを行う予定とされています。県としては、国のマニュアル改定の動向を踏まえ、横須賀市と連携して地域防災計画の改定など、必要な対策の充実を図っていきます。  次に、米軍基地に関する問題についてお尋ねがありました。  まず、沖縄県での元米海兵隊員による事件を踏まえた対応と日米地位協定の改定についてです。  今回、沖縄県でこのように悪質で、かつ残忍な事件が発生してしまったことは、極めて遺憾であり、断じて許すことはできません。  そこで、今回の事件を受け、渉外知事会として日米両国政府に対し、日米地位協定の改定を含め、再発防止に関する緊急要請を今週中にも実施いたします。  次に、横浜ノースドックでの米軍軍事訓練に対する対応についてです。  4月25日及び29日に横浜ノースドックで、米軍ヘリによる探索、救難のための引き上げ訓練が実施されたことを南関東防衛局に確認しています。県はこれまでも関係市とともに国に対して、基地周辺住民に不安を与えるような訓練を行わないよう求めており、引き続きそうした訓練が行われることがないよう求めてまいります。  次に、アスベストに関する問題についてお尋ねがありました。  まず、アスベスト対策に関する県の考え方についてです。  県では、不適切事案に対応するため、大気汚染防止法で義務づけられている事前調査の実施について、業界団体を通じて事業者に周知徹底を図っています。  また、建物の解体に関する情報を把握するため、建設リサイクル法の届け出情報を活用して、大気汚染防止法の届け出が漏れなく行われるよう努めています。  さらに、立入検査を実施し、飛散防止の措置が適切に行われるよう改善、指導を行っています。今後も、こうした取り組みを進めていきます。  次に、国の勧告などを受けた対策の強化の必要性についてです。  今回の勧告では、大気汚染防止法の規制対象外のアスベスト含有成形板の取り扱いなど、今後、国において対応が検討されていくものが含まれています。県としては、今後も、今回の勧告を受けた国の動きを注視しながら、必要な対応を図ってまいります。  次に、アスベスト対策の強化に関する対応と国への要請についてです。  まず、アスベスト対策の強化についてですが、関係局の連携強化については、事業者向け講習会の開催や、解体現場における立入検査の実施など、環境農政局と県土整備局などが緊密に連携しながら取り組んでいます。アスベスト対策の実施に当たっては、こうした取り組みのもと、必要な人員と予算を措置しているところです。  今後も関係局が効果的に連携しながら、アスベスト対策を着実に進めていきます。  次に、国への対策強化の要請についてです。  これまで全国知事会から国に対して規制対象の拡大など、アスベスト対策の充実強化を国の責任において実施するよう提案、要望を行っています。国に対しては引き続き要望を行い、アスベスト対策の充実強化を求めてまいります。  次に、神奈川県の公共施設等総合管理計画の策定についてお尋ねがありました。  まず、これまでの取り組みとの関連についてです。  今年度中に策定することとしている公共施設等総合管理計画は、県公共施設の見える化など、これまでの取り組みをさらに発展させるものです。このため、見える化では対象としていなかった施設も含め、全ての公共施設について、今後30年間の維持修繕コストを改めて推計することとしています。  次に、計画の方向性です。  県の財政状況は引き続き厳しいことが見込まれますので、今後増大することが避けられない維持修繕コストの軽減や平準化、また、施設の最適な配置を進めていく必要があります。  そこで、総合管理計画では、コストの見通しをもとに、住民サービスにも配慮しつつ、施設の一層の長寿命化や集約、再配置、民間のノウハウや資金の活用など、基本的な考え方を示すこととしています。  この基本的な考え方を、県有施設長寿命化指針を初め、個別施設ごとの計画にも反映させ、具体的な取り組みを進めてまいります。  次に、神奈川県総合リハビリテーションセンターについてお尋ねがありました。  まず、リハセンターの指定管理者である社会福祉法人神奈川県総合リハビリテーション事業団の給与制度については、現在、事業団において必要な調整を行っていると承知しています。  次に、リハセンターの指定管理料についてですが、県は人件費の積算に当たり、民間平均賃金を参考とし、採用困難職種や専門性の高い職種については、事業団の実績額や経験年数を考慮しています。  事業団からは、県の積算を下回る額が指定管理料として提案されましたが、業務実施上、支障ないことを確認の上、議会に提案し、昨年10月の本会議において既に議決をいただいたところであり、この指定管理料は適正な額と考えています。  次に、保育の充実についてお尋ねがありました。  まず、保育所不足の解消についてです。  まず、国に対する要望については、これまで国の施策・制度・予算に関する提案など、機会を捉えて要望してきたところですが、今後も引き続き市町村と連携しながら、財政的支援の拡充等を求める要望を行います。  次に、保育所整備に対する支援については、これまで安心こども基金を活用して、市町村の支援に取り組み、平成22年度から27年度までで、全県で555カ所の認可保育所が整備されました。  こうした中、本年3月に国から待機児童解消に向けての緊急対策が発表され、保育所整備に対する支援に当たり、補助基準額の引き上げや補助対象の拡大が図られることとなりました。  県としては、国の緊急対策に対応し、今後も市町村の保育所整備に対する支援に取り組んでまいります。  最後に、保育士の処遇改善についてです。  県は、これまで保育士を確保するため、国に対して賃金の引き上げなど、処遇改善について要望してきました。平成27年4月にスタートした子ども・子育て支援新制度では、平成26年度と比較して保育士賃金の5%引き上げが行われるなど、一定の措置がされました。  なお、現在、保育士不足が喫緊の課題となっている中で、児童1人当たりに配置すべき保育士の数をふやすような基準の見直しを国に求めることは考えておりません。  保育士の賃金引き上げによる処遇改善については、5月に国が発表したニッポン一億総活躍プランに基づく具体的改善策を把握し、市町村と連携して対応してまいります。  答弁は以上です。  〔井坂新哉議員発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 井坂新哉君。 ◆井坂新哉議員 知事に答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。  再質問ですけれども、横浜ノースドックの軍事訓練に関連して、まず最初に確認をしたいんですが、答弁では住民に不安を与えるような訓練の中止は求めているという、一般的な答弁だったと思うんですが、今回のこのノースドックでの軍事訓練については、米軍に訓練の中止を求めたのかどうか、この案件について中止を求めたのかどうかをまず最初に確認をさせていただきたいと思います。  その上で、今回、ノースドックでの軍事訓練というのは、恐らく今回が初めてではないかというふうに承知しています。ですので、こういうときが私は肝心だというふうに思っていて、ノースドックはもともと訓練の施設ではありませんから、米軍が軍事訓練を行っても、抗議もしない、訓練の中止も要求しないということでは、今後ますますこういう軍事訓練を実施する場所が拡大していく、そういうことに道を開くことになるというふうに思いますので、この点について知事はどのようにお考えか、知事のご所見を伺いたいと思います。  次に、アスベスト対策の強化という点で再質問をさせていただきます。  アスベスト対策で、今、知事から答弁ありましたけれども、対策の強化ということでは、必要な人員をもう既に配置しているということがありました。  アスベストを含む建材の解体については、環境省は平成40年ごろにピークを迎えると予測しています。今後ますますふえると予測されるこれらの解体工事で、アスベストの健康被害が広がらないように、県としての対策の強化はますます必要になるのではないかと思います。  大気汚染防止法による届け出を受け付けする事務などを行っているのは、県内では神奈川県のほかに横浜、川崎、相模原、横須賀、藤沢、平塚の6市があります。  そういう状況の中で、アスベスト対策の取り組みは県内でも取り組みに違いがあります。例えば、横浜市や川崎市は、法律では規定されていない非飛散性の成形板についても、条例で解体工事の際の届け出を規定しております。そのことによって、立入調査をして、指導を強めているという状況です。  県としても、このような事例や全国で行われているそれぞれの取り組みを参考にして、できることはどんどんやっていくという、そういう姿勢が必要なんではないかというふうに思っています。  県が中心となって、他の6市が同じように対応することができるように連携をとっていく必要があると思いますが、知事はどのように考えておられるか、知事のご所見を伺いたいと思います。  以上が再質問です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) ただいまの再質問につきましては、それぞれ関係局長から答弁させていただきます。  〔政策局長(大竹准一)発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 大竹政策局長。 ◎政策局長(大竹准一) 横浜ノースドックの訓練に関する再質問についてお答えいたします。  この件に関しましては、本県から南関東防衛局のほうに事実確認を行った上、こういった訓練について、ぜひ情報提供してくれという申し入れを行ったところでございます。個々にこの件について、米側等に申し入れ、抗議等は行っておりません。  いずれにしましても、こういった行為に関しましては、本県では関係市とともに行っていくということが原則でございます。繰り返しになりますが、国に対してこういった関係基地周辺住民に不安を与えるような訓練を行わないよう、関係市とともに要請してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。  〔環境農政局長(金子眞理子)発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 金子環境農政局長。 ◎環境農政局長(金子眞理子) アスベスト対策の強化に関して、県内市との連携についてお尋ねがありました。  県内市の取り組みの状況については、承知をいたしております。ただし、大気汚染防止法の規制対象外のアスベスト含有建材等への取り組みの強化という点につきましては、国の中央環境審議会の中間答申におきまして、アスベストが飛散する状況について実態を明らかにし、検証した上で必要な措置を検討することが適当とされておりますので、県といたしましては、まずは国の動向を注視してまいりたいと考えております。  以上でございます。  〔井坂新哉議員発言の許可を求む〕 ○議長(森正明) 井坂新哉君。 ◆井坂新哉議員 答弁いただきましたので、最後に意見と要望を言わせていただきます。  米軍の横浜ノースドックの訓練に関しては、訓練の中止を求めていないということがはっきりしました。  私は、地位協定の問題で言っても、基地の使用について日本の管理権がどう及ぶのか、この基地の管理権の問題もあるわけですから、こういう一つ一つの事案があったときに、米軍や国にちゃんと意見を言っていく、これ以上、基地の拡大をすることなく、また使用目的を厳格に求めていくということは大変大切だと思いますので、ぜひ国や米軍に対して、はっきりと物を言える、そういう状況にしていただきたいということを要望しておきます。  次に、アスベスト対策ですが、アスベストの影響で中皮腫や肺がんなどにかかった方は、夜中でもせきがとまらない、苦しくて眠ることができない、そんな大変な思いをしていて、そういった中で亡くなる方もいます。  また、家族への被害も確認されています。夜中のひどい、そういうせきによって、家族は夜眠ることもできなくて、一緒に住めなくなった、そういう被害の実態も明らかになっています。  厚生労働省の資料によれば、労働災害として中皮腫や肺がんなどで亡くなったと認められた方は、これまでに1万人以上いるという状況になっています。これ以上苦しむ人を出さないためにも、解体工事のときの対応を厳格に行うとともに、アスベストを含んだ建材の解体工事を行う際の国の支援も必要となっています。  いずれにしても、このアスベストによる被害をなくすために、県として、さらにこの取り組みを強化することを最後に要望いたしまして、私の質問を終わりとさせていただきます。  ありがとうございました。 ○議長(森正明) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(森正明) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後3時22分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成28年第2回-20160601-027935-質問・答弁-相原高広議員-代表質問①私立大学の県内立地等に関して②治安問題について③県立高校の入学者選抜の採点ミスについて④朝鮮学校について》                   午後3時45分 再開  〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共88名 ○副議長(大村博信) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(大村博信) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(大村博信) 質問を続行いたします。  相原高広君。  〔相原高広議員登壇〕(拍手) ◆相原高広議員 議長のお許しをいただきましたので、私は通告に従い、知事並びに警察本部長、教育長、県民局長に、順次意見と提言を交えながら質問させていただきます。  知事、警察本部長、教育長、県民局長におかれましては、明確なご答弁をよろしくお願い申し上げます。  質問の第1は、私立大学の県内立地等に関して、知事にお尋ねいたします。  私は、本県内に立地している大学は、本県全体に大きな恩恵をもたらしており、とりわけ、大学が所在する地元地域へは莫大な恩恵をもたらしていると認識しています。  しかしながら、現在、本県を含む首都圏内の私立大学の立地に関係するさまざまな動きがあり、私は、将来、本県に大きな影響を及ぼすのではないかと危機感を覚えております。  本県内の私立大学には、神奈川大学等の法人本部が県内にある大学や、我が国有数の総合大学である東海大学等の法人本部は県外であっても主要キャンパスが本県内にある大学、さらには、約3年前に看護学部を新たに開設した関東学院大学や、約10年前に小田原にキャンパスを設置した国際医療福祉大学等の多数の大学があります。いずれも、各地域において極めて重要な存在になっております。  大学の立地による効果には、一般的には次のものが考えられます。  まず、当然ながら、学校教育そのものである学生に対する教育の効果。次には、建設時の建設費や備品購入費等の直接効果と、さらにそこから生まれる間接波及効果を合わせた効果。また、税収へのプラスの影響。加えて、人材の育成と供給や地域内での雇用の創出等の社会的効果、さらには、若年人口の増加に伴う地域活性化等の文化的効果があります。いずれも重要な価値であります。  これまで我が国では、主に地方都市が大学誘致への取り組みを熱心に行ってきたところでありますが、本県では、首都東京に隣接する地理的有利性や本県の歴史から、大学が古くから県内に多く立地していたため、大学の誘致等について熱心に検討することは特になかったと言えます。  我が国では、戦後から現在に至るまで、地域振興策として産業立地政策が講じられてきたわけでありますが、私は、大学等の高等教育機関の立地も産業立地と同様の経済面等の地域振興効果があると確信しています。  大学の立地による地域への効果については、さまざまな研究がなされているところですが、多くの場合は大学の数が少ない地方都市での研究であり、その効果の検証は相当明確にでき上がっています。  しかし、一方、本県のように多くの大学が立地している地域では、単純ではなく、複雑な状況であり、効果の測定は容易ではありませんが、大きな効果があるのは間違いないと予測するところであります。本県においても、大学立地による効果を十二分に検証する意義は大きいと考えます。  そのような中、以前からその傾向はありましたが、最近の私立大学の都心への移転の動きは、都内への移転の次元を超えて、東京都の中のさらに中心部への移転であり、本県においても深刻な影響が出る可能性が大いにあると考えています。  私立大学が大学生き残り競争の中で、都心部への移転を重要な選択肢にしていることは間違いありません。  大学に対しては、国が多額の補助金を交付していますが、この交付金の額は、基本的には大学の立地場所に大きく左右されるものではなく、国からの補助金は私立大学の本県への立地促進には直接は貢献しません。だからこそ、地域振興のための大学の立地促進は地方自治体の大きな役割でもあります。  また、他方、国等の気になる動きがあります。国の地方創生の一環として、東京一極集中を是正する観点などから、地方大学等の活性化策の中に、大都市圏への学生集中を抑制するとうたわれています。さらには、大学の地方分散を国に提言している県もあると聞いています。今後の本県への影響を十分に注意していくべきであります。  県内私立大学の県外への移転は地域にとって大きな損失であり、一方、県内への私立大学の進出及び県内既存の大学の大幅な定員増は地域に大きな恩恵をもたらします。  私は、経営の厳しい私立大学や県外移転を考えている私立大学に対して支援をする必要性を強くは考えませんが、県内に新たに進出を考える私立大学や定員の大幅増を考える県内の既存の私立大学に対しては、積極的な支援を行うべきと考えております。  なお、県内にある国公立大学については、地域との連携を重視した教育研究活動を行っており、県外への移転や定員の極端な変動が出るとは考えにくいところがあります。よって、本課題においては、私立大学を考察対象にすれば、よいと考えております。  そこで、知事にお伺いいたします。  まず、本県を含む首都圏内の私立大学の立地に関係するさまざまな動きを見据えた上で、本県地域への将来の影響について、知事のご所見をお伺いいたします。あわせて、県内へ新たに進出する私立大学や既存の県内私立大学で、大規模な定員増をする私立大学等に対する支援策等に関して、本県として、今後早急に検討を始めるべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、治安問題について、警察本部長に2点お尋ねいたします。  我が国の治安状況を振り返りますと、平成13年に起きた米同時多発テロ事件の翌年に戦後最悪を記録した刑法犯の認知件数は、昨年、平成27年、戦後最少となっています。これには、警察組織を初めとする関係機関の尽力が大きく貢献したと高く評価しているところでございます。  しかしながら、数字ほどに安全を実感できないのが率直なところでもあります。その最大の理由は、諸外国では現実そのものでありましたが、数十年前の日本ではおよそ現実感のなかったようなテロ等の特異犯罪の発生可能性を否定できない今日の状況があるゆえの不安だと認識しています。  テロ対策においては、発生件数を減らすと成果と評価される他の犯罪対策とは性格を異にする側面があり、発生の絶対阻止が第一目標になるものと考えています。  まず、国際テロ対策について伺います。  数十年前まで、日本人が国際テロの標的になることは余り考えられませんでしたが、近年、国外において日本人が国際テロの対象に入ってきていると言えますし、国内においても可能性を否定できない状況にあります。  先月、三重県で開催された伊勢志摩サミットや、合衆国のオバマ大統領による広島訪問については、神奈川県警察を初めとする全国警察が一丸となった警備諸対策を推進した結果、テロや違法事案を発生させることなく、平穏に終了いたしました。  警備諸対策に当たった県警察を初めとする関係機関に対して、敬意を表するところでございます。  他方、国外では、昨年11月のフランス・パリにおける同時多発テロ事件に続き、本年3月には、ベルギー・ブリュッセルにおいて連続テロ事件が発生するなど、依然として厳しいテロ情勢が続いております。  伊勢志摩サミット本番は終了しましたが、国内では、引き続き関係閣僚会合が9月まで開催されます。また、3年後には、ラグビーワールドカップ決勝が横浜国際総合競技場で開催され、4年後の東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、セーリング競技の江の島開催が決定しています。  これらの大規模な国際イベントを無事に開催するためには、国際テロ対策を一層強化する必要があります。  4年後の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、引き続き、国際テロ対策に万全を期していただくよう要望するところでございます。  国際テロを未然に防止するためには、関係機関と連携して地道に各種対策を推進するとともに、必要な体制の強化や装備資機材の充実を計画的に行うことが大変に重要であります。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  県警察における国際テロ対策について、警察本部長のご所見をお伺いいたします。  次に、オウム真理教問題についてお伺いします。  オウム真理教が引き起こした地下鉄サリン事件から、はや21年がたちました。この事件は、我が国の犯罪史上、最も悲惨なテロ事件と言っても過言ではありません。  この事件では、地下鉄の車両内に猛毒のサリンがまかれ、13人のとうとい命が奪われ、また、5,800人以上の方々が負傷し、その中には今も後遺症に苦しみ、闘病生活を送っている方がいると聞いております。  毎年、事件発生の3月20日には霞ヶ関駅で慰霊式典が行われており、このような悲惨なテロ事件を二度と起こさせてはならないと強く思うところです。  こうした中、オウム真理教はいまだに新たな信者を獲得しており、その保有する資産が9億円を突破したという報道がありました。あのオウム真理教が勢力を拡大しているという事実に驚くと同時に、憤りを禁じ得ません。  また、本県内には、国が警察白書等で公表しているとおり、オウム真理教は、今は主流派と上祐派を中心に活動していて、この主流派、上祐派の両方が本県内に拠点施設等を設けているのが実態です。  このような中、県民の間では時間の経過とともに、オウム真理教に対する記憶や警戒心が薄れている感があります。再び凶悪な事件が発生しないことを強く願うところです。  教団による悲惨なテロ事件を再び発生させないために、教団に対する厳正な取り締まりと、地下鉄サリン事件など、教団が過去に起こした凶悪事件の風化防止対策について、今後も継続して推進していただくよう強く要望するところでございます。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  オウム真理教の現状と対策について、警察本部長のご所見をお伺いいたします。  次に、県立高校における入学者選抜の採点ミス問題について、教育長にお尋ねいたします。  過日明らかになった県立高校の入学者選抜における採点ミスは、大変に遺憾な案件であります。県教育委員会の厳格な対応が強く求められます。  我が国では、地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築等を目的に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律を改正して、以前の教育委員長と教育長を一本化した新教育長の制度が誕生しました。本県でも、新教育長が本年4月1日に誕生しています。  結果として、たまたま時期が重なったわけではありますが、今般の入学者選抜における採点ミスという大問題に対して、権限が以前より強くなった新教育長が責任者として問題解決をされることに大きな期待をしております。まさに、法律改正による効果が形として期待できるところでございます。  県立高校の学校現場に対して、教育委員会による温かい理解と支援は重要でありますが、同時に、厳しい指導と監督も重要です。この両方が一体となってこそ、県立高校の学校現場は良好な状態に保たれます。  まず、ミスの実態の県民への公表について伺います。  私は、これまでの教育委員会の発表から、県民の皆様が、県立高校の学校現場では入学者選抜でミスが多発して、ほとんどの教員が採点ミスを犯したと受けてとめてしまうのではないかと、一種の誤解が生じる可能性を心配しています。  大部分の教職員は、採点ミスなく業務を完遂しているのが実態であります。私は、何よりも、県民の皆様に、採点ミスを犯した教職員の状況を詳細に伝えることが肝要だと考えています。教育委員会が教職員全体に対して指導をする必要性を否定しませんが、それよりも、採点ミスを行った教職員に対する厳しい指導と監督のほうがはるかに重要だと確信しています。  さらに指摘すれば、平成28年度入学者選抜では、採点ミスのみならず、作問ミスもありました。そして、この両方とも、問題の発覚は外部からの指摘によるものです。このことからは、県民の皆様に実態を詳細にお知らせし、県民の皆さんの衆知を集めることにより、問題への対処が進むと教訓にすべきと強く考えます。  そこで、教育長にお伺いします。  まず、平成28年度の入学者選抜において採点ミスを行った教職員の職種、職階別に、全体の人数、採点にかかわった人数、採点ミスを行った人数、採点ミスを行った教員の全体に対する割合について報告をお願いいたします。あわせて、平成28年度と平成27年度の入学者選抜の両方で採点ミスを行った教職員はいたのか、ご報告をお願いします。  その上で、これから教育長よりご報告をいただく内容の詳細に加えて、県立高校ごとの教職員の人数、採点にかかわった人数、採点ミスを行った人数、採点ミスを行った教員の割合の実態について、教育委員会は明確に公表していくべきと強く考えるところでございますが、教育長のご所見をお伺いいたします。  次に、入試の答案用紙を廃棄した3校の問題について伺います。  平成27年度入学者選抜では、定められている保存期間の経過前に答案用紙を廃棄した県立高校が3校もありました。私は、これは今般の採点ミス問題の中で突出して大きな問題であり、教育委員会は最も厳しい対応をすべきと強く確信しています。  採点ミスにより合格者とすべき受検生を不合格としたことは許されない大問題ではありますが、教育委員会として検証を実施してミスの内容を明らかにしました。これにより、事実が明らかにされ、それを踏まえての一定の対応も可能になったと認識しています。  しかしながら、答案用紙を廃棄した3校では、問題対処における大前提であります事実自体を明らかにすることさえ一切不可能にしてしまいました。この問題は、採点ミスにより合格者とすべき受検生を不合格としたことよりもはるかに重大であり、この3校で一切明らかにならなくなってしまった事実の中には、当然、合格者を不合格にしていた可能性も含まれます。  5月9日に発表された県立高等学校入学者選抜調査改善委員会の中間取りまとめでは、答案の誤廃棄というタイトルで極めて簡単な記述にとどまっていますが、最終報告では、案件の重大性に関して十分な考察結果が示されるものと期待しています。  改めて、この3校の問題は、今般の入学者選抜にかかわる問題の中で、教育委員会として最も厳しい対応をすべきと申し上げるところであります。  そこで、教育長にお伺いします。  まず、答案を廃棄した3校では、受検生のうち不合格となった生徒の皆さんに対して丁寧な説明を含めた十分な対応を既に行っているのか、ご報告をお願いいたします。その上で、この3校の答案廃棄に関して、廃棄を実行した教職員と管理職への対処、及び、一番大切であります不合格とされている受検生への対応について、教育長のご所見をお伺いいたします。  最後に、朝鮮学校について、県民局長にお尋ねいたします。  私は、これまで朝鮮学校の問題について、本会議、委員会にて何度か取り上げてきましたが、先日、文部科学省から朝鮮学校に関する通知があったこと、及び、問題が指摘されている教科書の改訂が今年度、平成28年度に行われるとのことでありますので、改めて、本日取り上げる次第です。  まず、国からの通知に関係して伺います。  本年3月29日に文部科学大臣から、北海道ほか1都2府24県知事宛てに朝鮮学校に関する通知がありました。この通知の中の前半部分では、朝鮮学校に対する基本的な認識として、朝鮮学校に関しては、我が国政府としては、北朝鮮と密接な関係を有する団体である朝鮮総連が、その教育を重要視し、教育内容、人事及び財政に影響を及ぼしているものと認識しておりますと示しています。  この朝鮮学校に対する基本認識については、国は通知を出していますので内容を詳細に把握しているわけですが、都道府県では内容を詳細に把握することが大変に難しい領域だと考えています。  また、次の問いでも取り上げますが、朝鮮学校の教科書を編さんしているという教科書編纂委員会の組織上の位置づけや権限や構成メンバー等を十分に確認するのも難しいと考えます。  私は、国が出したこの通知の全文を読むと、率直に言って、このような通知を出すくらいならば、国が朝鮮学校に関する全ての行政事務をみずから担えばよいと強く感じます。  私はこれまで一貫して主張していますが、内容を詳細に十分に把握できない対象を、本県が担う行政事務の範囲に入れることは避けるべきと強く考えています。無責任が生じる可能性を否定できないとも感じています。  本県は、朝鮮学校に関する行政事務を、国もしくは都道府県のどちらが担うのが最適なのか、文部科学省と十分に議論を行うべきと考えます。  私は、朝鮮学校に関する行政事務に関して、国よりも都道府県が担ったほうが、行政効果が高いという論拠が全くわかりません。また、過去から今日まで都道府県が担ってきた行政事務だからという経緯が論拠になるとも全く考えません。  そこで、県民局長にお伺いいたします。  まず、この文部科学省からの通知の中の前半部分で指摘されている、北朝鮮と朝鮮総連との関係、朝鮮総連と朝鮮学校の関係に関するご所見を伺います。その上で、朝鮮学校については、国と都道府県のどちらが担うのが最適な行政事務なのか、文部科学省と率直な意見交換をすべきと考えますが、県民局長のご所見をお伺いいたします。  次に、今年度、平成28年度に行われると言われている教科書の改訂問題について伺います。  朝鮮学校は、本県内では神奈川朝鮮学園が運営していますが、平成22年度に、朝鮮学校の日本で言えば高校生段階に当たる授業で使用されている教科書の記述に対して大きな問題が指摘されました。  教科書に、拉致問題に関すること、大韓航空機事件については韓国による捏造とする記述等に関して、大きな誤解を与える内容や国際社会における一般常識とは全く異なる記述があるとの指摘です。  この記述の問題については議論をまたないところであり、当然、記述内容が修正された新たな教科書の早期の発行が求められます。  過去には、朝鮮学校から、平成25年度に教科書改訂が行われるとの説明がありましたが、実際には改訂は行われませんでした。その後、平成26年2月に、本県に対して、神奈川朝鮮学園から、現代朝鮮歴史の教科書改訂が平成28年度中になるとの回答があり、今日に至っています。  まさに、今年度はこの教科書改訂問題の重要な年です。本県では、県民局が神奈川朝鮮学園に対して教科書の改訂を要請し、神奈川朝鮮学園では教科書編纂委員会に対して教科書の改訂を要請しているとのことです。  前回、教科書が改定されるとされた際には、改訂が当然実施されるものと期待しましたが、結果は、改訂がなされず大変に残念に思いました。  今年度、再び教科書が改訂されないという事態に陥らないことを強く願っているところであります。仮に、2度も同じ事態が続くと、失望の度合いははかり知れません。ぜひとも、県民局には、この問題を今年度で決着させる強い決意で、実現に向けて最大限の取り組みをされることを強く求めます。  もちろん、県民局が、教科書の改訂の実現について強い自信を持っているのならば、私は一切の発言をせずに静観いたしますが、率直に言って、私には、きょう時点では、そのようには感じることができません。  県民局は、前回の改訂が実施されなかった残念な事実を踏まえれば、当然、前回に行った対応に加えて、新たな取り組みを実施する必要があります。前回と同じ対応しか行わないのであれば理解に苦しみます。  以前にも提案いたしましたが、一つの方法としては、全国の朝鮮学校の教科書を作成しているとされる教科書編纂委員会に対して、県が直接要請を行うことです。  そこで、県民局長にお伺いいたします。  まず、ここ半年間ぐらいの間に、朝鮮学校からの報告等、何らかの動きがあったのか、ご報告をお願いいたします。その上で、朝鮮学校の教科書改訂の実現性や自信に関して、及び、教科書改訂の実現に向けての今後の取り組みについて、県民局長のご所見をお伺いいたします。  以上で、私の第1回目の質問を終了いたします。  ご清聴まことにありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(大村博信) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 相原議員のご質問にお答えいたします。  私立大学の県内立地等に関してお尋ねがありました。  県内には現在63の私立大学があり、約18万人の学生が通学しています。それぞれの大学は時代の変化や社会のニーズを踏まえて、個性的で特色ある教育の実践を通じて多様な人材を輩出しています。  また、大学は人材の育成だけでなく、さまざまな分野で本県と連携した取り組みを積極的に進めています。  具体的には、県との包括連携協定を締結し、再生可能エネルギーの導入促進などに取り組んできました。また、大学の研究成果を県政の課題解決に活用する全国初の大学発・政策提案制度により、県内自治体のシティプロモーションの支援などに取り組んでいます。  このように、大学はさまざまな分野で本県の取り組みと連携し、地域の活性化や産業、経済の振興などに大きな役割を果たしています。  こうした中、本県においても、一部の私立大学が都心へ回帰する動きがあったことも事実です。このことは、本県の地域の活性化の観点からも損失になるものと考えています。そこで、大学が神奈川に立地していることのメリットを十分感じてもらえるよう、さらに連携を強化してまいります。  一方で、本県では、大学の誘致については、県の政策を推進する上で本当に必要な大学を誘致するということを基本としています。今後、県として、県の重要政策を推進するために真に必要な場合には、新たな大学の誘致や学部の新設への支援などに積極的に取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県民局長(茂木吉晴)発言の許可を求む〕 ○副議長(大村博信) 茂木県民局長。 ◎県民局長(茂木吉晴) 県民局関係のご質問についてお答えします。  朝鮮学校についてお尋ねがありました。  まず、国からの通知に関してです。  通知の前半部分に対する所見ですが、この部分は朝鮮学校に関する朝鮮総連の影響についての政府の認識が示されたものと受けとめております。  本県としては、神奈川朝鮮学園の教職員に朝鮮総連の役職を持つ人はいないことを学園に確認しています。  なお、通知の後半では、朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点が示されています。  本県は、外国人学校に通う子供たちが国際情勢、政治情勢の不安定さの影響を受けることなく、安心して学ぶことができるよう、平成26年度から学費補助制度を創設し、外国人学校への経常費補助は廃止いたしました。  学費補助制度においても、補助金の適正かつ透明性のある執行や補助金の趣旨、目的に関する住民への情報提供は、公的資金の執行に当たって当然必要なことですので、適切に対処してまいります。  次に、朝鮮学校に関する行政事務について、国もしくは都道府県のどちらが担うのが最適なのか、文部科学省と意見交換してはどうかとご提案をいただきました。  既に議員からは、朝鮮学校に関する私学行政について、国が対応する方向で国に協議を求めるべきとのご提案をいただいておりますので、中長期的な課題として受けとめているところでございます。  次に、平成28年度に行われると言われている教科書の改訂問題についてです。  朝鮮学校は認可を受けた各種学校であり、私立学校法では県は教育内容に関与できず、使用する教科書は学校が決定する仕組みとなっています。しかし、拉致問題は国際的に大変重要な人権侵害問題であるので、県は神奈川朝鮮学園に対して、拉致問題について適切な記述のある教科書とするよう改訂を要請しています。  神奈川朝鮮学園はみずから拉致問題についての独自教科書を使って授業を行っており、教科書編纂委員会に対しては、県からの要請や議会での議論を伝えるとともに、教科書の改訂を求めてきたと承知しています。  そして、ここ半年の間にも、昨年12月と本年4月の2回にわたり、神奈川朝鮮学園の理事長が教科書編纂委員会事務局を訪問し、教科書改訂が予定どおり行われるよう要請したと報告を受けております。  県としては、拉致問題が明確に記述された教科書への改訂が今年度中に行われるものと考えておりますが、それが確実に実現されるよう、神奈川朝鮮学園に対し、教科書編纂委員会に働きかけることを繰り返し強く要請してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(大村博信) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立高校の入学者選抜の採点ミスについてです。  まず、ミスの実態の県民への公表についてです。  平成28年度及び平成27年度の県立高等学校入学者選抜において、学力検査を実施した学校の約8割で採点誤りがありました。そうした実態は一切弁解の余地のないものであり、改めて県民の皆様に深くおわびを申し上げます。  〔教育長 自席で黙礼〕 ◎教育長(桐谷次郎) その中で、採点誤りにかかわった教員数ですが、平成28年度入学者選抜において、管理職を除く教員を職階別に見ますと、総括教諭の在籍数が約900人で、採点誤りにかかわった者はそのうち約100人、採点にはほぼ全ての総括教諭がかかわるため、全体に占める割合は約1割となっています。  また、常勤の教諭の在籍数は約5,400人で、採点誤りにかかわった教員は約560人、全体に占める割合は同様に約1割となっています。  また、採点誤りにかかわった教員の中には、平成28年度及び平成27年度の入学者選抜の両方で採点を誤った者もおりました。  県教育委員会としては、二度とこのようなことを起こさないためにも、このたびの採点誤り全体について、県民の皆様に明らかにしていく必要があると考えております。このため、教職員への処分等について公表する中で、誤りにかかわった教員数の学校ごとの内訳についても公表してまいります。  次に、答案用紙を廃棄した3校の問題についてです。  平成27年度の県立高等学校入学者選抜において、本来1年間保存しなければならない答案用紙を三つの高校で保存期間経過前に廃棄していたことが判明しました。このため、この3校では、平成27年度の学力検査の答案の全て、もしくは一部を再点検することができませんでした。  私としては、このたびの誤廃棄については、入学者選抜のみならず、本県教育行政全般に対する信頼を大きく損ねたものと受けとめています。  当該高校を受検していただいた中学生に対して、おわびの言葉もないというのが正直な気持ちです。まことに申しわけありませんでした。  このため、県教育委員会として、答案用紙の誤廃棄のあった学校名やその経緯など、今回の事案をホームページや記者発表を通じて明らかにし、その中で、不合格となった生徒も含め、3校の受検生全体に対して謝罪を行ってきたところです。  今後、誤廃棄の事実関係をさらにつまびらかにして、当該校の管理職及び誤廃棄にかかわった職員に対し厳正に対処してまいります。  また、教育委員会としての原因分析、再発防止策を策定し、公表していく中で、答案用紙の誤廃棄についても丁寧に説明し、3校の受検生を初め、県民の皆様に改めて謝罪をしてまいります。  答弁は以上でございます。  〔警察本部長(島根 悟)発言の許可を求む〕 ○副議長(大村博信) 島根警察本部長。 ◎警察本部長(島根悟) 初めに、国際テロ対策についてお答えします。  初めに、先月開催された伊勢志摩サミットに伴う警備実施については、県警察においても、三重県等に警備部隊を派遣したほか、水際対策や爆発物原料対策、重要施設や公共交通機関の警戒など、各種対策を実施し、無事に終了したところであります。  県民の方々や関係機関、団体など、多くの方々のご理解、ご協力をいただきましたことに対し、厚く御礼申し上げます。  しかしながら、フランス・パリやベルギー・ブリュッセルなどでテロが相次いで発生する中、ISIL、いわゆるイスラム国が我が国や邦人をテロの標的として繰り返し名指ししているなど、依然として厳しい国際テロ情勢が続いております。  そこで、県警察では、国際テロに関連する情報を幅広く収集、分析するとともに、海上保安庁や入国管理局等と連携し、水際対策を推進しております。  また、爆発物の原料となり得る化学物質がテロリスト等の犯罪者の手に渡ることを防ぐために、販売事業者等に対して管理の徹底と不審な購入者についての情報提供などをお願いしているところであります。  さらに、外国公館を初めとする重要施設に加え、フランス・パリにおける同時多発テロ事件の発生を踏まえ、公共交通機関、大規模集客施設等の、いわゆるソフトターゲットにおける警戒警備の強化を図るとともに、それぞれの施設の管理者に対し、自主警備の強化についてお願いしているところであります。  県内では、ラグビーワールドカップ2019決勝戦や、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会セーリング競技などの大規模な国際イベントの開催が予定されていることから、今後もテロ・災害対策神奈川協力会等の枠組みも活用しながら、関係機関、団体と連携し、さらなる対策の強化を図ってまいります。  次に、オウム真理教問題についてお答えします。  初めに、オウム真理教の現状についてであります。  オウム真理教は麻原彰晃こと、松本智津夫への絶対的帰依を強調する主流派アレフと、松本の影響力がないかのように装う上祐派ひかりの輪を中心に活動しています。現在、教団は15都道府県に32カ所の拠点施設を有し、信者数はその活動状況等から合計で約1,650人と見られます。  県内では、横浜市神奈川区新町に所在する主流派の横浜施設、及び横浜市西区赤門町に所在する上祐派の横浜西施設の2カ所を把握しております。  今後、主流派は松本への絶対的帰依を強調しながら、組織の維持拡大を図っていくものと見られます。一方、上祐派は松本からの脱却を装いながら、組織の維持拡大を図っていくものと見られます。  次に、オウム真理教対策の推進についてであります。  県警察では、無差別大量殺人行為を再び起こさせないため、引き続き関係機関と連携して、教団の実態解明に努めるとともに、組織的違法行為の防止及び取り締まりを推進してまいります。  また、地下鉄サリン事件から21年が経過し、教団に対する国民の関心が薄れ、一連の凶悪事件に関する記憶の風化も懸念されます。そこで、県警察では、今後もさまざまな機会を通じ、教団の現状や教団の組織的違法行為に対する検挙事例等を広報し、教団の本質が県民の方々に正しく理解されるよう努めてまいります。  以上でございます。  〔相原高広議員発言の許可を求む〕 ○副議長(大村博信) 相原高広君。 ◆相原高広議員 知事、県民局長、教育長、そして警察本部長からは丁重なご答弁をいただきまして、ありがとうございます。  時間もありますので、再質問と要望を申し上げたいと思います。  再質問については、二つお伺いしたいと思います。  まず、私立大学の県内立地等に関して、知事に再質問させていただきたいと思います。  質問の中でも触れましたが、最近の首都圏内における私立大学にかかわる動き、私は大変不安を持って、懸念を持って見詰めているところですが、その動きのうちの一つであります国の地方創生にかかわる観点での政策として、大都市圏への学生集中を抑制するということに関しては、答弁が相当簡潔であったかと思います。もう少し踏み込んでご所見をお伺いさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  もう一つの再質問は県民局長へでございます。二つの質問のうち、二つ目で行いました朝鮮学校の教科書の改訂について再質問をさせていただきたいと思いますが、局長からは大変に丁寧な経緯を含めてご答弁をいただいたところなんですが、それらの動きを踏まえまして、質問の中でも触れましたが、要は県民局長としてはこの教科書の改訂、今年度実現についてはどういうふうに考えているのか、一種の県民局長が持たれている改訂に対する自信のようなもの、自覚のようなものをぜひこの際お聞かせをいただきたいと存じます。  要望について申し上げたいと存じます。  警察本部長におかれましては、治安対策について、ぜひ引き続きのご尽力をいただきたいと存じます。  私は、この国際テロ問題、オウム真理教の問題は、引き続き重大案件だと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  教育長に対しましても、要望を申し上げさせていただきます。  まず、ミスの実態の県民の公表に関しては、ご理解をいただいてご対応いただけるというふうに受けとめたところでございます。私はここに関しては、教育長が本当に丁重に謝罪をされる場面が多いわけなんですが、謝罪ですとか、問題の原因の追及、今後の対策とは切り離して、事実そのものを詳細に県民にお知らせをしていくということが大変重要なんではないかと思っております。  ご答弁もいただきましたように、相当数の教員は普通に業務を間違いなくこなしているわけであります。数から言えば、そちらのほうが圧倒的に多いわけですから、対策等とは別に実態は率直に伝えていく、これが大事なのかと思っています。  もう一つの問いの答案用紙を廃棄した3校の問題については、これについても教育長から丁重なご対応をいただいたわけなんですが、私はこの問題については、率直に言って、教育委員会がというよりも、廃棄が明確になったときに3校の校長が受検生に対して対応すべき話なんだと思っています。  とりわけ、先ほど申し上げましたように、不合格になってしまった受検生への対応が大変重要だと思っております。  以上、再質問させていただきます。ご答弁よろしくお願いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(大村博信) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えしたいと思います。  国による大都市圏への学生集中の抑制といった問題についての再質問でありました。  これは地方創生ということでありますが、このことについては学生の問題だけではなくて、神奈川県が今強くアピールをし続けていることがあります。  東京一極集中といった問題、東京一極集中を是正しなければいけないということでありますけれども、ここでいつも言葉のすりかえが行われます。東京一極集中というのは東京23区一極集中である。ところが、それを是正するために東京圏から人、もの、金を出していこうと、突然神奈川県がその中に入ってしまうという、こういう事態があって、これは絶対違うということを、何度も全国知事会等でも発言を続けているところであります。  学生の都心への集中といった問題も実は同じような文脈で扱われるということ、これは本当に用心しなければいけないといった問題であります。  ただ、文部科学省がいっているところは、大都市圏の大学の中で、定員を超えて受け入れている状態がある、これを是正しようという、この大都市圏の中で定員を超えている大学というものは、これは東京23区の大学であるということでありますので、このあたりはしっかりとこれからも神奈川の声としてアピールしていかなければいけないと思っているところであります。  答弁は以上です。  〔県民局長(茂木吉晴)発言の許可を求む〕 ○副議長(大村博信) 茂木県民局長。 ◎県民局長(茂木吉晴) 教科書の改訂についての再質問にお答えいたします。  神奈川朝鮮学園からは、改訂について予定が変更されるという報告は受けておりませんので、今年度中に教科書改訂が行われるものと考えておりますが、これが確実に実行されなければならないと考えております。  したがいまして、県としては引き続き神奈川朝鮮学園に対し、要請をしていくべきであると考えております。  まずは、私が神奈川朝鮮学園を訪問し、学園から教科書編纂委員会に県からの要請や議会での議論を伝えて教科書改訂の実現を強く働きかけるよう学園に直接要請してまいります。  以上です。  〔相原高広議員発言の許可を求む〕 ○副議長(大村博信) 相原高広君。 ◆相原高広議員 再質問へのご答弁まことにありがとうございました。  これで終わります。どうもありがとうございました。 ○副議長(大村博信) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(大村博信) ご異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(大村博信) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明2日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。まことにご苦労さまでした。                  午後4時37分 散会...